はじめに
2011年5月アメリカでCOPC-2000_CSP規格の新バージョンであるRelease5.0がリリースされました。日本でも2011年11月にリリースする運びとなりました。
今回のバージョンアップは、COPC規格リリースから15年が経過し、コンタクトセンター市場を取り巻く環境変化に呼応し、資格制度が見直されることとなりました。これに伴い個人資格の更新も義務づけられています。
資格制度改定に伴い、Rel4.4までのCOPC登録コーディネーター資格は、Rel5.0へ更新しない限り、2012年12月末を持って失効します。
更新のためには、更新研修(2日間の講義)を受講のうえ、試験に合格することが必要となります。
資格を更新されない場合、名刺のコーディネータ資格ロゴ印刷や、履歴書の資格欄での“資格取得者”であることの記載が認められなくなります。
上記は、COPC規格を司る規格委員会にて決定されました。日本も新制度に基づく運営が義務付けられましたので、その改定の内容と新制度につきましてここにご案内申し上げます。皆様におかれましてはご不便をおかけ致しますが、ご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。
今回の資格更新に関する情報はCOPC社のWebサイトでもご確認頂けます。
※US COPC社サイトでの告知内容URL: http://www.copctraining.com/
※プロシードホームページ内 COPC規格Release5.0特設ページURL:http://www.proseed.co.jp/campaign/index.html
2011年10月11日
株式会社プロシード
代表取締役 西野 弘
Release5.0リリースの経緯と変更点概要
規格改定の背景
・コンタクトセンター業界をとりまく環境は、時代の流れや業界の発展と共に変化し続けており、進化するテクノロジーや、高度化するステークホルダーニーズへの柔軟かつ的確な対応が求められております。
・昨今ではSNS(ソーシャルメディア)の進化により、顧客と企業がSNSを通じて、直接的なコミュニケーションをとる機会が増えております。先進的な企業では、すでにSNSを活用したマーケティング戦略を打ち立て、積極的に活動しています。
・このような新しい潮流において、コンタクトセンターにはSNSなどのような新たなチャネルでの顧客接点を担う役割が期待されており、組織戦略に深く関わっていくことは容易に想像できます。
・前述のようにステークホルダーニーズは多様化かつ高度化し、コンタクトセンターに求められるミッションは新たなステージを迎えていると言えます。
・ステークホルダーニーズへ確実に応え、今まで以上に重要な役割を担うことが求められる現在、COPC規格は大幅な改定を要する更なる進化が必要となりました。
・次ページ以降に規格改定の歴史と今回のリリース5.0規格概要につきまして解説いたします。
COPC規格の歴史
PC用OSであるWindows95の発売をきっかけに、1995年から96年にかけてコンタクトセンターにおける改善モデルの研究が始まり、96年正式にCOPC規格がリリースされました(当時の設立メンバ:MS、AMEX、DELL、COMPAQ、L.L.Beanなど)。
・1996年 Rel2.3 19項目
・2000年 Rel3.0 29項目
・サービス、クオリティ、コストそれぞれにおいて高いパフォーマンスを達成した組織に認証を与える「パフォーマンス達成度の基準」が盛り込まれる。
・モニタリング、スタッフィングなどコンタクトセンターマネジメントに欠かせないプロセスを盛り込まれる。
・2003年 Rel3.3 33項目
・監査活動から得られるベンチマーク(優秀なレベルや手法)を反映させ、付加価値の高い規格へと進化させる。
・業界の成熟度にあわせて、認証取得レベル(審査基準)の引き上げを図る。
・2005年 Rel4.0 20項目
・S・Q・C・CSat(サービス・クオリティ・コストおよび顧客満足度)にフォーカス。
・パフォーマンスへの影響が強いと考える要求に絞りこむ。
・項目別に重み(重要度)を評価し、それに基づく採点ルールを導入。
・現在のスコアリング(採点方法)に固執しない。満点でなくとも「適合」と評価する、など。
・2011年 Rel5.0 30項目でリリース
Rel5.0リリースの意味
COPC規格は、全世界のCOPCユーザで構成するCOPC規格委員会が主導し、その時々のコンタクトセンターをとりまく環境的変化や、テクノロジー、ステークホルダーニーズなどを反映し改定されます。
ステークホルダーニーズは多様化かつ高度化し、コンタクトセンターに求められるミッションは新たなステージを迎えていると言えます。
ステークホルダーニーズへ確実に応え、組織においても、今まで以上に重要な役割を担うことが求められる現在、COPC規格は大幅な改定を要する更なる進化が必要となりました。
上記を果たすため、以下の大規模な進化を遂げることとなりました。
・OSP(アウトソースサービスプロバイダー)規格が誕生。
・CSPベーシック規格とゴールド要求を統合し、真のハイパフォーマンスを実現するシステムへと強化。
・パフォーマンスを重視した規格から包括的なシステムに変更。不足部分を追加、補強(追加:SNS、テクノロジー、OSP、各種サービスタイプ別のガイドなど) 。
・規格要求は30項目(OSP含め37項目)に増加。
OSPを含めた新たなスキーム
リリース5.0の世界では、これまでの規格が提唱していたコールセンタースキームにOSP規格が加わりました。
OSPとはアウトソースサービスプロバイダーの略で、発注者より依頼をうけてコンタクトセンターを運営するコンタクトセンターベンダー向けの規格です。
OSP規格が従来のスキームにどのように関係づけられるかを以下に示します。
注:VMO(ベンダーマネジメント組織)は、自社のカスタマーサービスを社内またはアウトソースいずれもマネジメントする責任のある組織。
COPC-2000_CSP規格フレームワーク( Release 5.0 )
規格改訂ポイント一覧
Rel3.4→Rel4.0への変更ポイント及びRel4.4→Rel5.0への変更ポイント
コーディネータ資格制度改訂概要と資格更新研修の概要
資格失効とRelease5.0資格更新研修について
・資格失効に伴い、個人様名刺へのコーディネーター資格ロゴ印刷や、履歴書資格欄での“資格取得者”であることの記載が不可となります。
・弊社における対応詳細
・これまで資格取得頂いた皆さまに、取得済みのバージョンにより、資格更新研修を有償でご提供させて頂きます(内容や価格はCOPC社が日本以外で提供しているものと同様)。
・弊社HPでは、Rel5.0資格取得者と未更新の方との一覧表示を分けさせて頂きます。
・更新研修費用(2日間の講義+試験)
・定価:68,250円(テキスト代込・税込)
・特別価格のご提供:
・バージョンアップ特別キャンペーン:2011年11月〜2012年3月までに更新研修を受講頂く場合、価格を52,500円(テキスト代込・税込)とさせて頂きます。
※地方開催会の受講者の方は別途、更新研修方法を検討中です。詳細が決まりましたらWEBなどでお知らせします。
※認証取得企業様、JUGメンバー企業様へは別途、組織認証に関する詳細のご案内を送付いたします。
更新研修スケジュールのご案内
更新研修は以下の日程で、各コース2日間で開催します。
◆お申し込み/お問い合わせ◆
● Webフォーム: 更新研修お申込み
http://www.proseed.co.jp/training/copc-csp-release5.html
● Webフォーム: お問い合わせ
https://www.proseed.co.jp/contact/index.html
● E-Mailからのお申込みおよび、お問い合わせ
E-Mail : ps_training@proseed.co.jp
株式会社プロシード 研修担当:秋田、高橋
● お電話でのお申込みおよび、お問い合わせ
電話 : 03‐5777‐6411
(参考)COPC規格活用とRel5.0活用メリット
これまでの規格活用成果
Release4.4までの成果 | ||
組織全体 | 発注組織 | 【パフォーマンス】 ・ステークホルダーニーズのKPI化と適切な目標設定を実現。 ・サービスの可用性、クオリティ、CS、売上、コストの改善効果は、初年度で平均15%、次年度以降も5%以上は達成。 ・販売に必要なスキルの定義とセンター全体でのスキル共有により、販売手法の共有、管理指標、共通言語が実装され、販売力を高め、販売貢献するコールセンターを構築可能。 【組織強化・人材育成】 |
自社経営層 | ||
自社マーケ・営業 | ||
センターマネジメント層 | ||
資格取得者個人 | センター長・営業担当の方 | ・上記のパフォーマンス面と組織強化・人材育成面の成果を達成。 |
モニタリング・数値管理担当の方 | ・モニタリングを実施することが目的化したり、成果が確認できなかったモニタリング活動を本来のチェック&改善プロセスへと昇華。 ・クオリティパフォーマンス向上によりCSや効率性を向上。 |
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採用・育成担当の方 | ・属人化または閉鎖的になりがちな、採用、研修活動の可視化、標準化を実現。 ・採用後の活動実績の分析による採用プロセスの変更、その結果としての離職率の低下、またコストの削減を実現可能。 |
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ICT担当の方 | ・IVRだけでなく、センターで活用しているICTツール全般の導入効果を最大化。 | |
先進のセンターマネジメントノウハウを習得希望の方(ポジション制限なし) | ・SVまたはCSSでも、視野を広げることと、マネジメントの仕組みを理解し、顧客サービスを担当することでサービスの質をさらに向上することを実現。 ・規格がグローバル視点で毎年アップデートされるため、常に最新のマネジメント手法を理解することが可能になった。 |
Rel5.0活用によるメリット
Release5.0の可能性 | ||
組織全体 | 発注組織 | ・OSP規格をコンタクトセンターベンダーが活用することで、要件定義、仕様検討、契約フェーズで先進の手法を導入することが可能。 ・また、発注側の要求事項やレベルと規格要求内容との整合を図ることが容易。 ・ソーシャルメディア活用によるコンタクトチャネルの拡大と顧客サービス範囲の拡充。 |
自社経営層 | ・エンドユーザ対応に特化したパフォーマンスマネジメントフレームから包括的なフレームワークへ進化したことで、センターマネジメント全体のPDCAサイクルをCOPC規格に一任することが可能。 | |
自社マーケ・営業 | ・マーケ:企業全体のマーケ活動として、SNSを活用している場合、センター機能を活用したアクションの検討が容易。 ・営業:発注組織におけるメリットと同様の効果を受託側として発揮。 |
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センターマネジメント層 | ・センターを取り巻くステークホルダー全体のニーズ達成に必要なマネジメントシステムを活用することで、ビジネスゴール達成の確度が格段に向上。 ・コンタクトセンターに関わる他部門間の協力体制が強化。 |
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資格取得者個人 | センター長・営業担当の方 | ・新たなセンター機能(SNS、テクノロジーなど)のパフォーマンスに関する理解とS,Q,C,CS,ROIのパフォーマンスレベルのさらなる飛躍が可能。 ・センター全体のマネジメントPDCAサイクルに関する人材育成が可能。 ・ベストプラクティスの抽出と展開及び標準化が可能。 |
モニタリング・数値管理担当の方 | ・CSとクオリティ及び効率性やコストとの相関をさらに強化したモニタリングアプローチを構築可能。 ・クオリティパフォーマンス向上によるCSやコストパフォーマンスのさらなる向上が可能。 |
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採用・育成担当の方 | ・ES調査の設計とマネジメントノウハウ及びCSS及びSVのセンター内などでのキャリアプランニングのノウハウを習得することが可能。 | |
ICT担当の方 | ・社内外のICTからみたステークホルダーニーズを具体的に実現。 ・SLA指標と目標値の意味合いを理解可能とした。 |
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先進のセンターマネジメントノウハウを習得希望の方(ポジション制限なし) | ・上記のように、各所に効果が期待できる最新のマネジメント手法を理解することが可能になる。 |