多くのコンタクトセンターにおいて、「苦情」や「クレーム」は切っても切れないものです。
センターに所属していた時、私も「苦情」の電話を受けたことがありますし、色々なセンターにお邪魔するなかで、オペレーターの方々から「最初はお客さまの苦情が怖かった」「クレームを言われて困った…」なんて話もお聞きします。
そもそも、「苦情」と「クレーム」は何が違うのでしょうか?
言葉の定義は諸説あるようですが、日本語では一般的に「クレーム」=苦情・意義のことを指すことが多いです。
また、それぞれ調べてみると、クレームは「claim」を、苦情は「complain」を翻訳したものであることが多いようです。
Claim:正当で当然の権利として主張、要求、請求する。(損害賠償など)
Complain:トラブル(第三者から害を受けている状態)や対応(大切に扱われていない)に対する不平、不満の気持ちを表明する。
つまり、「クレーム」はサービスや商品に関して、なんらかの損害を被った場合の請求行為であり、「苦情」は顧客が、トラブルや応対により感じた不満を表す行為といえます。
上記の定義に従えば、比較的多くセンターで耳にするのは「苦情」ではないでしょうか。
お客さまに損害を与えたわけではないのに、なぜ「苦情」が起こるのか…。
例えば、二つの事例で見てみましょう。
多くの場合、現代のお客さまは、Web等でサービスや商品について対象なりとも調べた上でお問い合わせされます。つまり、『調べてもわからないため』わざわざ問合わせるのです。
その場合、Webに掲載されている情報だけの提供や、「できかねます」といったお断りの言葉だけで終わると、お客さまはその後どうすべきかわからなくなってしまいます。
その他に、お子様がいらっしゃるお客さまが問合わせされた際、後ろで泣き声が聞こえるにも関わらず、淡々と説明を続けるオペレーターをみたことはありませんか?
お客さまは、問題解決のためにオペレーターの説明を聞く必要がありますが、後ろのお子様も気になります。
この二つの事例から分かることは、ズバリ「お客さまの気持ちを混乱させてしまった場合に、苦情が発生する可能性が高まる」ということです。
大きなトラブルがなくても、応対中のちょっとしたことで、お客さまは混乱し、不満を感じるのです。
クッション言葉や敬語などの基本的な応対フレーズの教育はもちろん必要です。
しかし、それで満足することなく、お客さまを混乱させるプロセスやトークフローとなっていないか、多くのお客さまに満足いただけているオペレーターはどういうフレーズを活用しているのかを、是非観察し、その効果を分析してみてください。
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