「指標」と「数値」を考察するコラムの第5回です。
生きていくうえで、「食」は必須ですが、一方で「食」には、「嗜好品」や「贈答品」という観点もあるかと思います。最近、某高級果物店に入って、改めて気づかされた価格の高さ。そこには、農家の方のたゆまぬ努力もあるのだと思いますが、たぶん一生口にすることはないかなと思いながら、なんともモヤモヤした気持ちになりました。
さて皆さまは、贈答品として果物を購入する際、どのような「数値」や「宣伝文句」に魅力を感じ購入しますか。例を挙げるとすると…
① 販売している店(ブランド)のタグ
② 商品の原産地
③ 価格
④ 糖度
⑤ 鮮度
⑥ 色調
⑦ 商品を入れた箱
⑧ お届け可能な日
⑨ 受け取り、食べた人の満足度
⑩ 購入した人の満足度
などでしょうか。
私が贈答品として購入するならば、贈答先にもよりますが、①ブランドのタグです。①が満たされるならば、②や⑤、⑦に間違いはないでしょうし、⑧もよほど無茶な要求でなければ確保できるでしょう。
信用ならないのは、⑨と⑩です。
⑨は、贈答品として受け取った果実を悪く言う=よほど商品が腐っていたか、つぶれていたかでしょう。良い満足度であることが当然なのではないかと思います。
⑩は、どのタイミングで調査をするかによります。もし購入直後に調査をしているならば、贈答品が届く前です。きっと、①から⑧までに問題がなかったのでしょう。また購入していない人には調査をしていないはずです。購入に至らなかった理由も気になるところです。もし届いた後であるならば、先ほどの調査タイミングよりは幾分か良いですが、⑨に記載したとおり、よほどでなければ悪い評価にはならないでしょう。
今、世の中には「顧客満足度」という言葉が、至る所にあふれています。その言葉や数値の意味を見極めるのは、間違いなく自分自身です。
皆さまが組織の改善に顧客満足度調査結果を用いる場合は、ぜひその測定方法が正しいのか、活用できるものであるのかを見極めることが重要です。調査対象が偏っていないか、設問内容が誘導的でないか、分析可能な調査件数になっているか、など、分析前に把握しておく情報はたくさんあります。情報を把握せずに分析した結果、誤った認識での活動になってしまうことも考えられます。十分に留意すべきですね。
次回も、指標・数値ついて触れてみたいと思います。