モチベーションを高める2つのポイント 第1回~職場コミュニケーションの活発化~

2021.02.04

センターの品質や生産性を向上させるためには、マネジメント層による部下やオペレーターのモチベーションを高めるリーダーシップ、マネジメントが不可欠です。
モチベーション・マネジメントには2つのポイントがあります。
①職場コミュニケーションの活発化
②センター内の感謝の気持ちのマネジメント
今回はポイント①について紹介します。

ポイント①:職場コミュニケーションの活発化

モチベーションに影響する要因の一つとして、チームメンバー間のコミュニケーションがあります。一言でコミュニケーションと言っても、IT技術の発展により、メール、チャット、社内SNSなど現在では多くの方法があり、種類も様々です。
そういったITツールでのコミュニケーションより、物理的な対面コミュニケーションがモチベーション・生産性の向上には有効であるとされているのはご存知でしょうか?

「コールセンタにおける職場の活発度が生産性に与える影響の定量評価」(出典元:情報処理学会論文誌 54(4), 1470-1479, 2013-04-15)実験によると、オペレーターの動きの度合いを「活発度」として、その「活発度」とオペレーターのモチベーションや業務効率性に関係性があることが立証されています。

実験の概要は、同じアウトバンドの2センター(AセンターとBセンター)を比較し、コミュニケーションの活発度が受注率にどのような影響を及ぼすかを見る、というものです。
オペレーター同士が、誰と誰いつ対面したか、どこにいたかの情報データは活発度として測定しました。
結果、AセンターはBセンターより休憩中のコミュニケーション活発度が高く、受注率も高いという結果が得られました。
また、この結果が偶然ではないことを確認するために、活発度の低かったBセンターに対して実験を行いました。
Bセンターをチーム1と2に分け、チーム1はランダムで抽出された年齢と性別が異なるオペレーター、チーム2は同年代の男性のオペレーターで編成しました。その結果、最初の実験結果と同様にチーム2の活発度が高く、受注率も高いという結果が得られました。

なぜこのよう結果に至ったのか、その原因は心理面にあります。休憩時間に同僚と雑談などを行った場合とそうではない場合とでは、業務に戻った後の仕事へのやる気と積極性に差が生じることがあげられるそうです。

コロナ禍の中、オペレーターが在宅とオンサイトに別れたセンターも多くなってきました。対面コミュニケーションの減少によるモチベーションの低下に繋がる可能性もありますので、オペレーターのモチベーションをマネジメントは最も大きな課題です。
ITツールでのコミュニケーションよりは、対面コミュニケーションの方が効果的ですが、今の状況下ではITツールを活用することが重要です。例えば、社内で使用しているITツール(TeamsやSkypeなど)に雑談用のグループを作り、シフト時間外の方は自由で話せるようにします。あるいは、定期的に雑談会を開き、全員がカメラをオンするなどで、対面コミュニケーションにより近い環境を用意してもよいでしょう。

どちらにせよ、シフトやチームを作成するときには、コミュケーションが活発に図れるようなメンバー構成にすることを心掛けてみてはいかがでしょうか?

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