三つほめて二つしかる?
「かわいくば、五つ数えて三つほめ、二つしかって良き人となせ」
これは以前、私が先輩から教えてもらって大切にしている言葉のひとつです。
相手を大切に育てようと思うなら、五つあるうちの三つはほめて、
のこりの二つはしかって、よい人材に育てましょう、という意味で、
二宮尊徳(江戸時代の農政家)の言葉、と伝えられています。
現在では、「しかる」というのではなく、「コーチング」により、「本人に改善すべき課題点に気づいてもらう」「自ら目標設定を行い改善する努力をしてもらう」と考えた方がしっくりくるかもしれませんね。
コンタクトセンターでは、お客様によりよいサービスを提供するためにオペレーターさんの育成が欠かせませんが、皆さんは、この「ほめる」と「しかる」のバランスはとれていますか?
ほめる活動とコーチング
COPCの規格要求「3.5CSSのモニタリングとコーチング」では、モニタリングで「不合格」となったサンプルだけではなく「合格」となったサンプルについても、1対1のコーチングを実施することを要求しています。「コーチング」は相手の成長を願い、自ら改善に取り組むのを支援するものであり、長所をほめることが重要です。「ほめること」は本人のモチベーションの向上につながり、パフォーマンス向上への挑戦に導きます。
しかし、親心(?)から、ついつい課題の指摘ばかりが先立ってしまうことはないでしょうか? 修正しなければならない問題点の指摘はすぐできるが、「ほめる」のは苦手、というお話を耳にします。「ほめる」となると、どうほめたらいいのか迷う、というお話も伺います。皆さんはいかがでしょうか?
ほめると幸せになる?
ちなみに最近の脳科学の研究によると「ほめる」という行為には、
・ほめられる側:脳内にドーパミン(「やる気」の神経伝達物質)が分泌される
・ほめる側:脳内にオキシトシン(別名「幸せホルモン」、ストレス緩和、幸福な気分にさせるホルモン)が分泌される
といった効果があるそうです。ほめる側にもよい効果があるのです!
いわゆるホメ殺しはいけませんが、日ごろ、あまりオペレーターさんをほめていないかも、
と心当たりのある方は、意識して「ほめる」ようにしてみましょう。
ほめほめテクニック
相手を「ほめる」には、まず相手の長所に気づき、具体的に「ほめる」ことが重要です。
例えば「無遅刻・無欠勤である」や「後輩の面倒見がよい」など、あたりまえのようで、なかなかできないことができているのであれば、
それは「ほめる」に値することではないでしょうか。
いくつかセンターの現場で使えそうな例をあげてみます。
「勤続〇年、無遅刻無欠勤、すばらしいですね!」
「毎回、新人の面倒をよく見てくれてありがとう。助かっています。」
「そのコメントの視点、すごくいいですね。」
もちろん、ほめるときは具体的によかった点や行動を心から称賛する気持ちで「ほめる」ことが大事です。
ちなみに、ほめるテクニックのひとつとして<さしすせそ>の言葉を使うという方法があります。
さ・・・さすがですね!
し・・・知らなかったです!
す・・・すごいですね!すばらしいですね!
せ・・・せっかくだから、もっと~してみましょうよ。
そ・・・そうですね!そのとおりですね!
いかがでしょうか?
皆さんのセンターにおける人材育成のお役に立てれば幸いです。
*「CSSのモニタリングとコーチング」が定義されているCOPC CX規格6.0aダウンロードはこちら