セールスと金融、医療。業種名を聴いただけで皆さんはそのサービスにおける品質への期待値の「違い」をイメージできますか?
私自身も実際の品質をチェックする前はその違いは大きいと想像していました。
しかし、この全く異なる業界においても品質業務においては、共通課題がありました。
本コラムではその事例を紹介いたします。
多くのセンターが抱える共通課題
プロシードでは様々な業種における品質管理活動を行っています。
その際にモニタリングシートを活用し、お客様企業に代わって評価業務を行います。
「お客様視点」での評価を大切にする当社の品質チェックでは業種に関わらず基本的にはモニタリング項目に大きな差はありません。
このような、モニタリングシートにおけるチェックにおいて共通して各企業様に見られる弱点がありました。それは「受け止め」です。
お客様からコール、チャットにてお問い合わせいただくと、早く解決したいという思いが強く、受け止めをしないまま回答段階に入ってしまうのです。この傾向はどの企業様も共通していました。
みなさまのセンターではいかがでしょうか?皆様の評価とお客様評価のギャップに気づく近道としてCS調査の結果と社内モニタリング実績を比較する方法があります。
もし全く一致しているのあれば、おめでとうございます!!(笑)本記事をスキップして頂いて結構です。
もしギャップがあるようでしたら、その原因はどこにあるのでしょうか。
これから述べていきます。
受け止めが出来ていない理由
3つの原因が考えられます。
- 教育に課題がある
オペレーターはデビュー前に、ビジネスマナーや話し方など様々な研修を受けると思います。
しかし、それだけでは足りません。
お客様の観点から、電話をかける前にどのような過程を経たのかを考えながら応対する必要があります。そのため、復唱やミラーリングなどテクニック面の応対スキルだけでなく、もう少しお客様の心情理解について教育が必要です。例えば、医療業界のセンターですと、お問い合わせに対する用件把握も大切ですが、お客様もしくはその家族は病気に苦しまれているという前提を理解して受け止めるといいですね。
- 生産性を重視している
モニタリングチェックの結果から、受け止めが出来ていないオペレーターは解決姿勢が強いという傾向が見られました。
「早く解決したい」という思いの裏側には、生産性を意識し過ぎるという可能性があります。その理由として、他にお客様が待っている事や、ATT(平均応答時間)が長いと個人評価にマイナス影響が出るなどの理由から、オペレーターが早く切りたくなるのではないかと推測されます。
- 課題がフィードバックされていない
品質の向上には管理者からのフィードバックが不可欠です。
例えば先ほどの受け止めについて。フィードバックがされない理由は、モニタリングシートの「受け止め」項目に関する解釈が適切でない場合が多いです。そのことにより管理者がポイントを理解していないためフィードバックができていない事が多くのセンターでみられました。
先ほども少し述べましたように、受け止めには復唱など用件把握だけでなく、お客様の心情理解まで網羅されるべきです。御社のモニタリングシートで「受け止め」項目もしくはそれに該当する項目に、お客様に寄り添うような定義はありますでしょうか。もしなければ、ぜひ一度見直しを検討し管理者に対してもその定義を明確にしましょう。
*プロシードはモニタリングシート改善支援もしています。お気軽にお問い合わせください。
改善活動に向けたヒント
- 目指す姿を盛り込んだ研修
採用された直後のオペレーターに対して何を目指して応対すれば良いのを研修時にも明確に伝えましょう。また、伝えるだけでは効果測定ができないため、ロープレなど通じてデビュー判定を行うことを推奨します。
- センター方針の徹底
モニタリングシートは皆様の企業が伝えたい事の鏡です。皆様の現行モニタリングシートに会社のビジョン、センター方針が反映されているかを確認しましょう。反映されていない時はモニタリングシートの見直しも必須です。その際にモニタリング項目に強弱をつけて見直しを行うと効果的です(例:重要項目の設定、基準の見直し)
- 管理者のスキルアップ
更にハイレベルにオペレーターを教育するためには、管理者(SVやQA)もスキルアップしていく必要があります。SVやQAに対する研修カリキュラムを充実させることが結果としてセンター全体の品質レベルの向上につながります。
皆様いかがでしょうか。品質改善に向けた取り組みについてイメージが湧きましたでしょうか。ぜひ本コラムのポイントを参考に、皆様のセンターの品質管理を振り返ってみてください!