今回も毎月実施しているGBS第4回の内容をダイジェストでお伝え致します。
弊社とCOPC社は昨年10月~12月に、約1,000名のセンターマネージャーおよび、約4,500名の消費者に対してアンケート調査を実施し、その結果を12個のレポートにまとめました。
さらに、このレポートを活用して、経営層やカスタマーサービス・CX部門のマネージャー向けに重要なポイント・今学ぶべきことをテーマに、ウェビナーを通じてお伝えしております。
毎月1回(全12回)実施しているこのGBSですが、今回は先日開催いたしました第4回の内容をダイジェストでお届けします。
尚、次回は「品質管理」をテーマに8月18日13:00~14:00から開催致します。ご興味がある方は是非以下のリンクよりお申込みください。
当日のメインメッセージ(グローバルアンケート調査結果)
- 採用プロセスについて
・採用において、面接(対面或いはリモート)を行っている組織 98%
・1名採用するのに20営業日以上かけている組織 35%
・応募者に対して的確に仕事の内容を説明していると感じている組織 76%
・採用の納期率を測定している組織 66%
・採用のクオリティを測定していると組織 47% - 従業員から見た組織の採用プロセス
・採用時に組織から、的確に仕事の内容が説明されていると感じている新人従業員(入社12ヶ月未満) 79%
・フロントラインスタッフ(オペレーター)にとって採用プロセスにおける満足度は、仕事の継続意欲と職場の満足度に直接的な影響がある。
1-A.採用プロセスについて
まずは採用プロセスについて。左上の図はアンケート調査対象組織に対して選考方法について質問した結果である。98%の組織が対面あるいは遠隔(ビデオなど)でのインタビュー(面接)を行っていると回答した。これに次いで一般的だったのが回答率61%のタイピングテストであった。尚、このタイピングテストはアウトソーサーでの回答率とインハウスセンターでの回答率に約30%の乖離があった。(アウトソーサー:インハウス=73%:40%)
次にこの採用プロセスの所要時間について。右上の図は募集から採用までの平均所要日数を組織に質問した結果。35%の回答者が採用に20営業日以上かかると回答した。これも上述の選考方法と同様に、アウトソーサーとインハウスで乖離があった。(採用に10営業日必要と回答した人数の割合=アウトソーサー:インハウス=35%:25%)
1-B.採用プロセスのパフォーマンス測定について
採用プロセスのパフォーマンス測定についてみていく。今回調査をした指標は以下の2種類である。
- 【左上の図】採用納期率(募集人数のうち、期日までに採用できた従業員の割合)
- 【右上の図】採用クオリティ(全採用人数のうち特定期間(例:初期研修、採用後3ヶ月 など)を過ぎても 在籍している新人従業員の割合)
①採用納期率
今回の調査では66%の組織が採用納期率を測定していることがわかった。またこの測定をしていると回答した組織の73%のなかで、期日内に採用できたと回答した組織は60%以上であった。尚、採用納期率の測定と管理を組織に求めるCOPC規格を活用した組織の中央値は88%と今回の調査よりも高いことが分かった。
②採用クオリティ
採用納期率と比べ、本指標を測定している組織の数は少なく、47%となった。
これらの結果は、おおよそ半分のセンターは予定通り席を埋めることも、その席に自組織にとって適切な従業員を充てることもできていない可能性を示唆している。
2.従業員から見た採用プロセス
最後に組織側からではなく、従業員側から採用プロセスについての統計結果を紹介する。
今回の調査において在職12か月未満の従業員の①満足度、②仕事の継続意欲に対して相関が強かったのは「採用時に組織(センター)が仕事の内容を的確に説明していると感じられるか」だった。
左上の図では従業員満足度において、右上の図では仕事の継続意欲において「とてもそう思う」あるいは「そう思う」と回答した人数の割合を、「採用時に的確に説明されたか」という回答毎に分類した結果である。
いずれの図でも「採用時に的確に説明された」と思えれば思えるほど仕事に満足し、継続意欲も高くなっていることがわかる。
3.コロナ禍の影響
コロナ禍はコンタクトセンターのみならず多くの組織に影響を与えた。コンタクトセンターの採用プロセスにおいては上の図のような影響を与えている。
まとめ
採用プロセス自体は求職者のニーズや組織の目的に合わせて変化させるべきものですが、どのように変化・改善させるべきかは、現状の正確な分析が必要です。
たとえば、前述の採用納期率や採用クオリティの測定から「今のプロセスで間に合っているのか?」「今のプロセスで組織に適切な人物を採用できているのか?」などを把握する必要があります。また、離職タイミングの分析から自組織にとって問題のある時期を分析し、それを過ぎても離職しなかった従業員に対してヒアリングするのもの有用です。
(例:働き続ける理由・モチベーションは?辛いことは?辛くても今それを乗り越えられている理由は? など)
今回の調査結果(※)からも「採用時に適切に仕事内容の説明を受けたか?」つまり、新人従業員の期待と実際の現場に大きな差がないことが重要であるとわかりました。
※=在職期間が12か月未満の新人従業員の満足度と仕事の継続意欲との相関性が高かったため
ただし、入社前に新人従業員の期待値を適切に合わせること、これと並行してさらに期待されるような現場づくりをしていくことが求められるのは、今に始まったことではなく、コロナ禍が変えた世界においても普遍的に重大な要素であるといえます。
今回ウェビナー内容の一部をご紹介いたしましたがレポート(英語版)については以下よりダウンロード頂けます。各統計データが何を意味するのか?つまり、どのようなアクションが求められるのか?などレポートの内容を紐解くウェビナーは随時お申込み受付中です。
ご興味がある方はぜひお申込みくださいませ。