PROSEED CORPORATION 船井総研グループ

導入事例 Peach Aviation株式会社

「サービス品質向上」へ向けたRFP策定をプロシードと実現!
専門性・網羅性の高い要件定義と多角的な評価で最適な委託先を選定

「新委託先とのパートナー関係」を強化し、サービス品質向上を目指す

Peach Aviation株式会社様は、「サービス品質向上」を目指し、その実現へ向けたコンタクトセンターのRFP(提案依頼書)策定・新委託先選定に取り組んだ。これまで一連のプロジェクトは社内で実施していたが、コンタクトセンター専門コンサルティングを行うプロシードにRFP策定支援を依頼することで、より客観的で専門性の高い要件を定め、委託先候補を適正に評価し選定することを実現。

お客様サポート部の川東氏、河崎氏、首藤氏は今後、新委託先とのパートナー関係をより強化し、データ活用を通じたサービス改善・向上による顧客体験の向上を目指す。

Peach Aviation株式会社
事業戦略企画室 お客様サポート部/お客様サービス推進部 部長
川東 章浩氏(左)
事業戦略企画室 お客様サポート部
河崎 範彦氏(右)
事業戦略企画室 お客様サポート部/お客様サービス推進部
首藤 真央氏(中央)

目次

課題

委託先マネジメント

  • コンタクトセンター変革へ向けた委託先の提案力強化

属人化

  • RFP策定・委託先選定の属人化

専門的な知見

  • コンタクトセンター運営の専門的な知見

支援内容

RFP策定

  • 部門責任者・委託先管理担当者へのインタビュー
  • 新RFPの土台となる要件の確認
  • 要件定義に基づく新RFPの作成

委託先選定

  • 委託先候補の提案書評価
  • 委託先候補のプレゼンテーション評価
  • 委託先選定評価
  • 選定評価結果報告資料作成

成果

RFP策定

  • コンタクトセンター目標に紐づく専門性と網羅性の高いRFPの策定
  • RFP策定を通じた関係者間の共通認識の醸成

委託先選定

  • 定性・定量評価を含む多角的な視点での評価基準の確立による最適な委託先の選定

1.背景・課題

Peach Aviation株式会社様はコンタクトセンター運営全般を外部へ委託する。運営の適正化を目的に、委託先の見直しを3年ごとに行っている。前委託先との契約満了を控え、「サービス品質向上」を目指す同社にとって、次なる委託先を選定するためのRFP策定は極めて重要なプロジェクトである。しかし、これまでのRFP策定は社内担当者の経験に依存しており、より専門的かつ客観的な視点での要件定義が求められていた。また、コンタクトセンター運営で重視するポイントを盛り込み、明文化することで、委託先候補となる企業へその意図を正確に伝え、Peach Aviation株式会社様が求める質の高いサービスを実現できるパートナーを選定する必要があった。

安定からの脱却

河崎氏:前委託先様には約7年間センター運営を委託していたので、長年の実績と経験から、言葉にせずとも、弊社の意図を的確に汲み取り、運営してもらうことが多くありました。特に、要員配置やリソースの柔軟性については非常に高く評価していました。一方で、生成AIの導入・活用推進やセンターデータの共有・活用、新たな取り組みへ向けた提案力には課題があると感じていました。
首藤氏:前委託先様は日常の業務改善には非常に積極的に取り組んでいただきました。しかし、我々としては、3年後、5年後を見据えコンタクトセンター運営を推進していきたいと考えていました。その中で、身近な改善だけに留まっている状況に対し、「このままで良いのだろうか」という思いがあり、これからも弊社サービスが変化し続けることを考えると、この安定から抜け出してでも先に進む必要性を感じていました。

属人性からの脱却

川東氏:また、過去の委託先選定においては、弊社担当者がRFP策定を行っていました。試行錯誤しながら進めてはいましたが、コンタクトセンター選定や構築に関する個人の経験には限界があり、専門的な知見やマネジメントノウハウをもつ外部機関の協力を必要としていました。

2.プロシードの選定理由

河崎氏:プロシードへ依頼した一番の理由は、やはりCOPCに代表されるコンタクトセンター運営に関する専門的な知見です。弊社内のリソースだけでは得られない具体的なノウハウ(要件定義、委託先へのマネジメントなど)を助言いただきたいと考えていました。

3.プロジェクトの内容

プロジェクトは、RFP策定フェーズと委託先選定フェーズの2段階で進行。

1.RFP策定
部門責任者・担当者ヒアリング、要件定義、RFP作成、評価基準設定

2.委託先選定
委託先各社の提案書確認、プレゼンテーション陪席、委託先選定評価、経営会議資料作成

RFP策定  特に印象に残っていること

河崎氏:プロジェクト初期に行われた部署責任者・担当者ヒアリングが非常に印象的でした。組織体制、業務プロセス、人材管理や顧客対応におけるチャットの運用状況など、多岐にわたる項目について非常に深くヒアリングしていただきました。ヒアリングを通じて大きな業務がどんどん細分化され、体系的に整理されていく様子を見て、安心感がありました。

首藤氏: やはり、RFPは一人で作成できるものではありません。プロシードに協力いただくことで、コンタクトセンターがもつ情報がきちんと整理され、重視するポイントが何か明確になりました。これらを明文化することで、社内担当者間で共通認識を育むことにもつながりました。部署責任者・担当者ヒアリングは幅広い知見をおもちの方にご依頼しなければできなかったことだと感じています。

委託先選定  特に苦労したこと

河崎氏:委託先選定時の評価基準には、運営費用のような定量的な評価だけでなく、積極的な提案姿勢や「一緒に働きたいと思えるか」といった定性的な評価項目も含みました。これを数字で評価し決定するのは難しかったですね。提案会には、関係者全員で参加し、各委託先候補からの提案内容とプレゼンテーションを採点しました。これにより、候補間の優先順位付けはできましたが、実際に運用が始まった際の具体的なイメージは掴みにくかったのが実情です。既存の委託先様とは良好な関係を築けていたため、委託先変更によって生じると思われる運営開始後のギャップに大きな不安がありました。関係者間の議論を重ね、最終的には、関係者間で評価に大きなばらつきが生じることなく、最適な委託先を選定できたのではないかと思います。

4.プロジェクトの成果

プロジェクトを経て完成したRFPは、「サービス品質向上」というコンタクトセンター目標を具現化したものとなった。KPI設定や評価基準の策定においても専門的な視点が加わり、目標達成に向けて最適な委託先選定につなげることができた。

コンタクトセンター目標を体現するRFPの完成と新たな気づき

河崎氏:弊社がイメージしていたRFPが完成しました。弊社の企業理念やビジョン、プロフィールを理解した上で、必要な情報を網羅的に盛り込むことができたと感じました。中でも、応答率については、現状の目標値よりも高くなるよう設定するのが良いのではないかとプロシードから提案をいただきました。また、今回から新たに追加した指標もあります。各委託先候補にも、弊社の「サービス品質向上」にかける想いを感じていただけたと思います。

5.今後の展望

RFP策定と委託先選定を通じてPeach Aviation株式会社様が目指すのは、データ活用による顧客理解の深化と、サービス改善・向上の推進だ。委託先様との協働関係をさらに強化し、効率的なコンタクトセンター運営と顧客体験の向上とを両立させていく。

新委託先様へ寄せる期待

河崎氏: やはり、現在取り組んでいる新委託先様との運営構築においては苦労する部分もあります。ただ、新たに委託を開始してから今日まで、今までになかったような知見や業務改善に関する積極的な提案をいただけるようになったのは大きな変化ですね。

首藤氏:お客さま対応業務における前委託先様との明確な違いは、AIで要約した対応履歴をコンタクトリーズンとして記録されるようになったことです。以前と比較し、問い合わせ内容がより明確に把握できるようになりました。リアルタイムで見られるようになっているので、対応終了後すぐに内容を確認できるのは非常に便利です。将来的には、後処理時間の短縮など、業務効率化につながる可能性があると考えています。

データ活用とプロアクティブなサービス提供、そして真のパートナーシップへ

首藤氏:新委託先様での運営開始から間もないため、現在は「安定稼働」を最優先にしていますが、今後は「お客さまから直接ご意見をいただける場所」としての役割をしっかり果たし、サービス改善につなげていきたいです。不要な手間をかけずに、お客さまにより良いサービスを届けられるよう、データ収集と活用も欠かせません。
河崎氏: 私もそう思います。今後は、蓄積したデータをどう活用していくか、という点に重きを置いていく必要があります。サービス改善やお客さまのペインポイント解消はもちろんのこと、センターで実際に働く方々の負担軽減や効率化にもつなげていきたいです。VOCの活用とあわせて、これらの取り組みが相乗効果を生み出すようにしていきたいと考えています。

川東氏: 安定稼働とサービス改善はもちろん、委託先様とはパートナー関係を築き強めたいという思いがあります。コンタクトセンター運営を担うマネージャーやスタッフの方々に、私たちがどのような思いでどのようなサービスを提供したいのかをきちんと伝え、それらを代弁してくれるようなコンタクトセンターを目指していきたいと考えています。将来的には、Peach ならではの安心感と快適さを追求したサービスをお届けできるような、より発展的な取り組みを委託先様とともに推進していきたいですね。

2025年6月11日
※会社名、所属、役職等は取材時のものです。

Profile

企業名      Peach Aviation株式会社
業界・サービス  航空運送事業(国内線・国際線)
所在       〒598-0001
         大阪府泉佐野市泉州空港北1番地
設立年月日    2011年2月10日
従業員数     2,045名*(派遣社員・出向者を除く)
*2025年4月1日現在
ホームページ   https://www.flypeach.com/

Consultant’s Message

株式会社プロシード
コンサルティング部
大場 美智子・紙屋 和広

Peach Aviation様のビジョン「愛あるフライトを、すべての人に。」を大切に、「サービス品質向上」を目指すプロジェクトをご支援できたことを光栄に思います。
今回のパートナー選定では、COPC CX規格やVMO規格の知見を活かし、Peach Aviation様と共に要件定義・評価基準の確立を推進いたしました。これにより、運営力、品質、提案力、データアクセシビリティ向上を実現する最適なパートナー選定につながったと確信しています。
新しいパートナー企業との連携強化が、顧客接点全体の最適化とPeach Aviation様の描く未来に貢献されることを願っております。

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