COPC CX規格リリース7.0のご紹介
サービスジャーニーへの
フォーカスをさらに進めて

2021.11.30

2016年に発効となったCOPC CX規格リリース6.0は、いつくかの面で大きな変更があったものでした。

まず、実質コールセンター向けの規格であったCOPC規格を、顧客体験(CX)向上のための規格と位置づけ、会社が持つコールセンター以外のチャネルも包含したCX規格とした点があります。

もちろん、6.0以前も、対面サービスや、電話以外のサービスも対象には含めていましたが、それらチャネル間の連携や、サービスの一貫性という観点へのフォーカスはそれほど強いものではありませんでした。

組織と顧客の接点、タッチポイントごとの対応を良くするという視点から、顧客のひとつの要求や期待、問題に対応するための一連の工程(のちにこれをサービスジャーニーと呼ぶようになりました)へのフォーカスを強めたという点も変更の一つでした。

また、管理対象とするチャネルにセルフサービス(デジタルサポ―ト)を含めるようにしたのもリリース6.0の変更の一つでした。

今回のリリース7.0の変更は、6.0の変更をさらに推し進めたものになります。

COPCの改定プロセス

今回のリリース7.0の改訂に向けては、これまで同様、COPC規格委員会での検討が繰り返されました。

規格委員会には、COPC日本ユーザー会議の代表を含め、世界各地の様々な立場(自社でコンタクトセンター運営する組織、コンタクトセンター業務受託組織、顧客サービスをアウトソースしているクライアント組織等)を代表するメンバーが含まれます。

この規格委員会のメンバーが、議論を重ね新たなリリースが作成されました。規格のその枠組みを含めゼロから再検討するチーム、今の枠組みの中で進化を考えるチームに分かれての検討から、改訂の中の重要なトピックごとに検討するチームの設置という過程を経て、今回発行する形の変更となりました。

規格の体系

規格の種類は3つと、以前と変わりませんが、その対象に若干の変更があります。

以前は顧客サービスを提供する組織に向けて、

  • CSP版(自社でサービスを提供する組織向け)
  • OSP版(顧客サービスを委託を受けて実施するサービスプロバイダー向け)
  • 顧客サービスをアウトソースしている発注組織向けのVMO版の規格

となっていましたが、今回、サービス提供組織向けの2つの規格を、

1.コンタクトセンター版
2.カスタマーオペレーション版

の2種類としました。

規格の要求事項が、細かい点にまで及んでおり、成果を出すための「How」の部分についての要求が多すぎるのではないかという振り返りから、カスタマーオペレーション版ができたというのが経緯となります。

もちろん、多くの組織がその方法で成果を出しているベストプラクティスを下敷きに「How」の部分の要求事項はできているのですが、自分の組織には合わないという声を聞くこともあり、自由度の高い形のものを作りました。自社でサービスを提供する組織はこちらの版を選択することも可能です。

また、こちらの版を選択する組織に向けての参考資料として、ハイパフォーマンスガイドブックも提供しています。

リリース7.0の内容

リリース7.0では3つの領域で要求事項の拡充がありました。

  • サービスジャーニーに関する要求事項
  • デジタルチャネルに関する要求事項
  • 従業員エンゲージメントに関する要求事項

です。

要求事項は従来の4つのカテゴリーに分類され記載されています。

測定管理すべき指標も、今まで同様、指標一覧表の形にまとめて記載されています。

今回はデジタルチャネルの指標に関し、その求めるものがより具体的になりました。また、アウトバウンド業務や対面サービスのように、今までは付録のガイドに規定されていた指標や関連する要求が規格本文に記載されるようになり、使いやすくなりました。

2022年1月からは、新たな5日間研修と共に、現在リリース6.0ー6.2の推進リーダー資格をお持ちの方に向けてのアップスキル研修を実施いたします。

新たになった規格を是非手に取って、自社の顧客サービスの改善に役立てていただけるようお願いします。

規格本文は以下のリンク先から無償でご入手いただけます。

https://proseed.co.jp/documents/copccxstandard_for_contactcenters_release_7-0/
https://proseed.co.jp/documents/copccxstandard_for_customeroperations_release_7-0/
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