研修の新規作成や見直しの際には、「講義のあとロープレ」「ディスカッションやって講義でまとめる」といった「手段」から考えるのではなく「何ができるようになってもらうための研修なのか?」という「目的(ゴール)」を先に考えましょう、というお話は、過去のブログでもお伝えしたかと思います。その後、皆さんのセンターでは、研修の新規作成や見直しの機会はありましたでしょうか?今回は、研修ゴール設定のポイントについてお伝えしたいと思います。
ポイント1
まず、「何ができるようになってもらうための研修なのか?」を考えます。
よく「理解する」とか「習得する」といった研修ゴールを目にすることがあります。しかし、これでは「研修のゴールを達成したのかどうか」を何で判断すればよいのか、漠然としていてわかりにくいですね。
もしお手元の研修のゴールが漠然としているかな、と不安に感じたら、「その研修が終わって、受講者が研修のゴールを達成したらできるようになること」=「目標とする“行動”」を書き出してみましょう。
これは必ずしも1つとは限りませんので、思いつくまま、すべて書き出してみてください。その中から、「研修のゴール」として意図していることをより具体的に表しているものをいくつか選び、「この行動がとれるようになったら、研修ゴールを達成したといってよいか?」と考えてみてください。答えは「YES」でしょうか?
もし答えが「YES」なら、その「行動」がとれるようになることが研修のゴールです。
ポイント2
次に、「行動」の前提条件を明確にしましょう。
例えば「マニュアルを見ながら、システムを操作できる」のか「マニュアルなしでシステムを操作できる」のか、あるいは「必要な部品を用意された状態でPCを修理できる」のか「必要な部品を選びながらPCを修理できる」のでは全然違いますよね。言い方を変えれば、前提条件が厳しければ到達度のレベルも変わります。研修のゴールを明確にするためには、どんな前提条件(状況)のもとで何ができるようにするのか、ということを明確にしておきましょう。
ポイント3
最後に「この行動がとれるようになったら、研修ゴールを達成したといってよい」という事実を何で判断するのか?という基準を決めておきます。
これはこのあと研修カリキュラムを作っていくうえでも重要となります。いわゆるテストと合格基準のことですが、皆さんも「制限時間60分以内」「50問全問正解」など、基準を設けて、ミニマムスキルの判定テストを実施しているのではないでしょうか。ここで気を付けたいのは、例えば「8割で合格」としたら、なぜ8割でよいのかという根拠を明確にしておくことです。絶対に間違ってほしくない問題であれば、類似の問題も含めて全問正解が必要ですが、例えば実技テストなどで「行動チェックリスト10個のうち、NGが2個までなら正確性を担保できる」等の条件があれば、8割で合格でもよいということになりますね。
いかがでしょうか?ポイントは、まず「何ができるようにする研修か」考え、「その前提としてどんな条件があるか」を明確にし、「何ができる、の判断基準を決める」の3つです。
研修カリキュラムを作っていく上では、さらに詳細なゴール分析が必要になりますが、またの機会にお伝えしたいと思います。
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