CX通信は、国内の顧客体験関連ニュースから カスタマーセンターでも活かせるポイントをお届けする連載コラムです。
コンタクトセンターの役割には、顧客との関係性を構築し、強化することがあげられますが、デジタルチャネルが急激に進化しているなかで、対人対応の重要性はますます高まっています。なぜなら、デジタルチャネルでは顧客との関係性を強化することは難しく、対人対応の局面で顧客との関係性を強化することが求められているためです。
その対人対応において満足いく対応ができるのはもちろんですが、その対応を通じて組織およびブラントと顧客の間に良好な「エモーショナル・コネクション」を築く・またそれを強化していくことを多くのコンタクトセンターが取り組んでいます。
今回のコラムではこのエモーショナル・コネクションについて、またこれの実現のポイントについてご紹介します。
エモーショナル・コネクション実現のための5つのポイント
- エモーショナル・コネクションとは
- エモーショナル・コネクション実現のポイント
A.アクティブ・リスニングの実践
B.共感すること
C.熱心で積極的な対応
D.正直であること
E.スキルギャップを最小限にすること
①エモーショナル・コネクションとは
顧客は、コンタクトセンターと接触する場面で、何らかの感情を抱いていますが、その感情を良いものにすることが、対人対応では重要となります。
顧客が企業に対し、良い感情を持って貰うことができれば、顧客ロイヤルティの向上や、顧客エンゲージメントの向上が可能となります。
顧客が良い感情を持ち、その企業に対し信頼を持って貰うことを、エモーショナル・コネクションといいます。コンタクトセンターは、顧客とのエモーショナル・コネクションを構築し、強化することが重要な役割なのです。
②エモーショナル・コネクションの実現のポイント
顧客とのエモーショナル・コネクションを構築するためには、顧客と直接的に接するオペレーターの対応が重要なポイントとなります。
オペレーターが、顧客対応で、その顧客に取って適切な対応を行うことができれば、顧客との感情的なつながりを構築することが可能となります。
オペレーターの対応としては、以下の5つのポイントがあげられます。
A.アクティブ・リスニングの実践
オペレーターは、顧客が期待していることを理解し、顧客の期待に応える対応をしなければなりません。
そのためには、顧客がコンタクトセンターに問い合わせをしてきた背景や、現在の顧客の状況を正しく理解する必要があり、顧客の話す内容を聞き逃さず、顧客の状況に注意を払い対応する必要があります。
アクティブ・リスニングは、顧客の話だけでなく、顧客が置かれている状況についても注意深く聴き取ることが重要です。
B.共感する
共感とは、顧客の話す内容などから、相手の感情の状態を理解し対応することをいいます。
共感は、相手のことを理解していることを示すために重要となります。
注意しなければならないのは、相手に対し、「かわいそうだ」という、自身の視点で感情を理解しようとしてしまい、共感ではなく、「同情」になってしまわないようにすることです。
同情は、上から目線となってしまうため、注意する必要があります。
C.熱心で積極的な対応
顧客の問題を解決しようと努力する姿勢を見せることが重要です。
例え、問題が迅速に解決することができなくても、オペレーターが、熱心に取り組む姿勢を感じて貰うことで、顧客は良い感情を持つことになります。
顧客アンケートでも「担当したオペレーターはあなたの問題を解決するために熱心に取り組んでいましたか?」のような質問をすることで、オペレーターの熱心さが熱田割っているかを測定することができます。
D.正直であること
オペレーターは、顧客と約束したことを守ることが重要です。
顧客との約束は、信頼を得るための基本的な事項となります
E.スキルギャップを最小限にする
顧客対応では、顧客の問題を解決するために必要とするスキルを保有しておくことが原則です。
そのため、現在の問い合わせのトレンドを分析し、オペレーターが常に必要となるスキルを備えておくことが重要となります。
顧客対応に必要となる、スキルに付いては、コールリーズン分析を行い、問い合わせについてのトレンドを分析し、問い合わせの多い項目についてのスキルを適切に備えているか検証をおこなう必要があります。
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