「指標」と「数値」を考察するコラムの第4回です。
ここ数年、どのセンターに伺っても、話題になるのは人材の採用に関すること。特に「離職」「定着」というキーワードは多く耳にします。そこで今回は、離職/定着に密接に関係する、「採用」に関する指標・数値ついて書きたいと思います。
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売り手市場の現在、採用の条件を厳しくすると人来ない、集まらない、といった悩みを抱えるセンターは少なくありません。経験も豊富で、ホスピタリティがあって、…と高いスキルを持つ人の採用(=理想像)はあるものの、現実は「とにかく人が来てくれたらよい」「多く人数集めて、少しでも残ってくれたら」…という声はよく耳にします。
何も求めない採用は、結果として成功することは多くありません。それどころか、人数ありきの採用は、既存スタッフや研修担当のモチベーション低下など、マイナスに働く可能性があります。
まず求めるべきは「採用において求める最低限の条件」を明確にすることです。
少なくとも今は「休まない人」「辞めない人」という条件が、必須となるのではないでしょうか(図1参照)
◆図1:採用段階に求める条件レベル
「採用」という業務プロセスにおいて、その採用の条件を下げるということは、当然ながらそのプロセスのアウトプット(採用される人)は以前と同じではありません。この場合、採用の条件を下げた場合に、その後のプロセス(研修)は間違いなく影響を受けますが、採用部門と研修部門との連携がしっかりできていない場合、研修プロセスのアウトプット(デビューする人)に影響を与えます。採用プロセスにおいて、条件を緩和するのであれば、その後のプロセスである研修プロセスは、強化せざるを得ないと言えるでしょう(図2参照)。
◆図2:採用プロセスと研修プロセスの関係性
さて、本コラムの主題である、指標についてですが、採用に関する指標は2つ。1つ目は、インプット(応募人数)の内、アウトプット(採用人数)が何人であったか、という募集能力を見る指標。もう1つは、その採用が成功だったか?を見極める指標になります。何が成功なのか?は、採用プロセスに求める条件とイコールです。辞めない人…ならば、*日間辞めない人…と定義するべきでしょう。
時代背景や周りの環境に合わせたプロセス設計、そのプロセス設計の成功可否を判断するパフォーマンス(数値)管理。ぜひ採用がうまくいっているかを数値で管理してみてください。
次回も、指標・数値ついて触れてみたいと思います。