第5回 モニタリングの効果を説明できますか?

2012.04.06

お待たせして申し訳ございません!

まず、お詫びから。シリーズ最終回公開まで、長くお待たせしてしまい、申し訳ございません。

品質向上が勝負の分かれ目!と、あらためて、品質に目を向けるセンターが多い昨今。おのずと忙しい毎日を過ごしておりまして、、、なんて言い訳はやめておきましょう。今回は、品質に目を向け、力をかけるのは良いことですが、その効果測定がないままモニタリング運用されることへの問題提起です。

モニタリング活動は、コンタクトセンターのマネジメントに欠かせない活動であり、上手に活用すれば必ず効果が現れます。活動の中で見えたインパクト大きいセンター運営の課題は、迅速に改善アクションとして展開されます。一人一人が抱える課題に対するコーチングは、個々のオペレーションスキルを、継続的に向上する原動力になります。効果絶大!

ですが、これまでのコラムでお伝えしてきたように、モニタリングはその仕組みづくりが成功の鍵ですので、仕組みそのものに問題があると、思うような効果が出ないのです。その場合、モニタリングプロセスの問題点に気づき、改善しなければなりません。

最終回である今回は、事例とともに、効果測定の方法を見ていきましょう。

ケース1:話し方向上の先に何がある?

「応対品質の向上により、業界顧客満足度NO1を実現します」という方針を打ちたてているセンターの事例です。お客様のニーズを理解し、適切な回答・説明をし、感じの良い話し方で好印象を与えることに注力したニタリング評価の向上を図ってきました。事実、印象の良い話し方が全体共有できていて、モニタリングチェック結果が継続向上傾向にあることも確認できています。しかし、品質担当者はこの状況で顧客満足度NO1と言えるのか確信が持てず、何を強化すればより良くなるのかわからずに困っています。

注意ポイント

モニタリング評価向上がゴールですか?

多くのセンターは、なにかしらのかたちでモニタリング活動を行っています。一方、自ら顧客満足度調査を行っているセンターは多くありません。お客様の期待は、それぞれの企業のあり様によって異なります。

モニタリングを行う限り、顧客満足度調査を行わないのは片手落ちです。現状のコミュニケーションで満足していただけるのか、NO1であるのかは、どこに評価してもらうものでもなく、自らのお客様に聞くことによって導きだすべきものです。

エッセンス

顧客満足度調査による確認

お客様に対するモニタリング活動の効果は、定期的な顧客満足度調査で測りましょう。

<見るべきポイント>

・ モニタリング評価結果のトレンド(傾向)と、顧客満足度調査の傾向にずれがないか確認する
・ 強化しているポイントに高評価を得られているかどうか、相関係数などを用いて確認する

ケース2:提案力強化の先に何がある?

法令遵守をしつつ、コミュニケーションによるお客様の意思決定支援を目指す営業系センターの事例です。法規制を守ることを徹底しながら、お客様が積極的に言葉にしないニーズや背景を聴き、安心・納得して加入していただくことを“あるべき姿”としています。会話内にいくつか注力したいテクニックがあり、難易度が高いため、上手く成果に繋げられるテクニックを持つ人もいれば、そうでない人もいます。

この状況でモニタリング活動の効果を見ることはできないのでしょうか?

注意ポイント

モニタリングの高評価と実績は紐づいている?

ビジネス貢献のように、個々のばらつきが出やすいものであっても、活動の効果を見ることができます。

モニタリング評価が高ければ、コンプライアンスミスも犯さず、実績も出ているという傾向であれば、 “あるべき姿”の描き方とそこから導かれたモニタリング評価項目は、意図した仕組みとして機能していることになり、活動の効果があると言えます。逆に、モニタリング評価が優秀であってもミスが多い、実績が出ていないといった逆転現象が起こっているようであれば、活動の効果は出ていないと判断できます。

エッセンス

モニタリング評価と実績との相関を見る

ビジネスとコンプライアンスに対するモニタリング活動の効果は、実績との対比で測りましょう。

<見るべきポイント>

・ 個々のモニタリング評価と実績の相関関係
・ 個々のモニタリング評価とコンプライアンスミスの相関関係

モニタリング活動は、方針の実現のために目的をもって行われるものです。成果にこだわり、改善やレベルアップに確実に繋がるよう、仕組みそのものの改善も含めて、フルに活用していきましょう。

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