本日は、電話応対に役立つ「クッション言葉の使い方」について、お伝えいたします。
電話応対業務において、クッション言葉は誰のために使うのか?
ずばり、それは「お客様のため」です。
もっと言うと、「お客様のこころ(きもち)のため」です。
電話では、お客様からさまざまなご質問やご相談、ご要望が寄せられます。私たちは真摯に耳を傾けることはできますが、もちろん、何でも答えられるわけではありませんし、ご要望に必ずしもそえるとは限りません。「できません」「ございません」「わかりません」こんな回答も、せざるを得ないわけです。
でも、それを聞いたお客様はどんなお気持ちになるでしょうか?
「えーっ?」「なんでだよ・・・?」「どうしよう!?」
残念、がっかり、動揺、悲嘆・・・でも、回答は変えられません。
さて、どうしましょう?
そんなとき、クッション言葉の出番です。
■「言葉」でできている「クッション」
クッション言葉は「言葉」でできている「クッション」です。
お客様にとって「残念なお知らせ」や「不利益なこと」「ご面倒なお願い」などの「うれしくないニュース」を伝えなければいけないときはダイレクトに伝えるのではなく、お客様の気持ちが衝撃で傷つかないように「クッション言葉」を先に置いて、丁寧に伝えるようにしましょう。
クッション言葉から伝えることでお客様は「何かうれしくないニュースが来るんだな」と予測して身構えることもできます。
それにより心の衝撃から、少しでもお客様を守ってさしあげることができます。
■言い終わりは「肯定表現」or「依頼形」で
気を付けたいのが「あいにくですが。」のように、クッション言葉単体で止めてしまう話し方です。これは非常に印象が悪いので、やめましょう。
「クッション言葉」で「うれしくないニュース」を伝えるときは、言い終わりは「肯定表現」または「依頼形」にします。するとさらに丁寧な印象になり「クッション効果」が増します。
例えばこんな使いかたです。
<残念なお知らせ>
大変申し訳ございませんが、本日中のお届けは致しかねます。
<不利益なこと>
まことに恐れ入りますが、返品の際の送料は、お客様にてご負担いただけますでしょうか。
<ご面倒なお願い>
お手数ですが、もう一度初めから入力をお願いできますでしょうか。
■お薦めを提案する時にも「クッション言葉」
「クッション言葉」はお客様に何かお薦めを提案する時にも使えます。
お薦めの提案はお客様には「うれしいニュース」かもしれません。でも、うれしいニュースかどうかはお客様が決めることですよね?ですので、私たちが提案をするときには「うれしくないかもしれないけど、
どうですか?」という気持ちを込めてやはりクッション言葉を使います。するとこうなります。
<例>
・もしよろしければ、来月から始まるお得なキャンペーンのご紹介をさせていただいてもよろしいでしょうか?
・お差し支えなければ、本日ご紹介した新商品のカタログをお送りいたしますが、いかがでしょうか?
いかがでしょうか?
クッション言葉は日常会話であまり使うことがないため、使うのが
苦手という方もいらっしゃるかと思います。
今回の豆知識が、皆さんの電話応対のお役に立てれば幸いです。