カスタマージャーニーマップによるサービス提供の考察

2017.07.10

私事ですが、先月引越しをしました。それに伴い、取引のある金融機関を中心に住所変更手続きをネットで済ませました。

手続きを進める中、とある金融機関のインターネットバンキングにログインしてみると・・・変更手続きの入り口がループ。次に、ワンタイムパスワード設定が別途必要。設定もパスワード表示もアプリのみ。

手続きはアプリからもできますが、住所変更画面はPC版にリンクしており、豆粒のような文字と入力欄が表示されました。非常に見づらかったため、結局PCとスマホアプリを併用して手続きを終えました。

この時私が感じたことは、ずばり2点。

「この会社の人は、自分が顧客になった時に、このサービスを素晴らしいと思うのか?」

「顧客目線でのテストはしたのか?」

住所変更手続きなどシンプルな問い合わせをネット(=セルフ)で行うことは、企業と顧客双方にメリットがあります。

企業側:セルフサービス完結型はコストインパクトが大きい。

顧客の利便性向上という観点でよりよい顧客体験の提供に繋がる。

顧客側:待たされない、自分のタイミングでできる

このメリットを真に実現する上で重要なことは、設計段階で「客観的な顧客視点」を持つことです。では、どうすれば「客観的な顧客視点」を取り入れ、顧客体験をよりよいものにできるのでしょうか?

<セルフサービスで住所変更を行う>

①よくある顧客像(ペルソナといいます)をより具体的に設定する。

例えば、3-40代のサラリーマン。ITスキルは普通。スマホを保有。

仕事をしているため、日中来店、コールセンターへの連絡も難しい。

②そのペルソナのカスタマージャーニーマップ(CJM)を徹底的な顧客視点で洗い出す

引っ越す→手続きしようと思う→手続き方法等をHPで調べる→手続きを行う・・・

③CJM中の顧客と企業のタッチポイントにおいて、どのチャネルを提供すべきかを検討、決定する

④各チャネルのプロセス設計を行う

⑤テストを実施する

システム等の機能性の観点でのチェックと、①で決めたペルソナに成り代わり、一顧客としての操作性、わかりやすさ、レスポンスタイム等をテストする。

開発者や設計者が行うだけでなく、第三者にテストしてもらうことが推奨される。

「企業視点」のベストと「顧客視点」のベストは異なるものです。

今回は操作性でしたが、セルフの対応範囲、対応ルール、オペレータの裁量等、様々な観点で、「あなたが顧客だったとしたら、自社のサービスに太鼓判が押せるか?」

今からチェックしてみませんか?

もしかすると、自己満足…かもしれません。

顧客は常に変化し、他社(同業、他業問わず)と比較し続けています。

気が付いたら何も言わずにいなくなってしまう、なんてことがないように。

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