コミュニケーションを科学する!~MBTI理論に基づくコミュニケーションスタイル 第2回~

2017.11.22

「このハゲ―!」 今年、話題になった豊田元議員。

なぜ怒りが抑えられないのかについて、アンガーマネジメント理論では、『このタイプは幼いころから成績も優秀で怒られることがなく、育った。そのため、部下の失敗を許せない』と分析されているのをTVや雑誌で目にします。

“あれ?同じ環境や同じ境遇だと同じ性格や言動になる?“
いささかの疑問を感じたのは私だけでしょうか…。同じ屋根の下で育った、親子でも兄弟/姉妹でも、性格も考え方は違うのではないかなぁと。

アンガーマネジメントでは、怒りのコントロール方法や対処方法などがありますが、これは怒りに対するテクニックに過ぎないと思うのです。コミュニケーションテクニックと同様、対処型であり、なぜその怒りが発生するのかというような、生まれ育った環境に左右されない、生まれた時から個々が持っている心の動きには注目されていません。

MBTIでは、心は生まれた時からあり、利き手があると考えています。自分の心の利き手を知ることで、自分自身が心地よいと感じること、逆に怒りのポイントも理解できます。自分を深く知れば、怒りの源が分かり、怒りの理由が理解出来れば、自分自身で怒りをコントロールすることもできるようになります。まさに、心の成長ですね。

前段が長くなりましたが、今回は心の機能の1つ感覚機能と直観機能についてお話したいと思います。人が情報を取り入れる機能として、対局した2つの方法があります。それが、感覚機能と直観機能です。これは、人が情報を取り入れるときに、「実際に起こったものや現実的な物ごと」を好むか、「全体像を把握し、その関係性やパターンからひらめく可能性」を好むかの違いです。どちらに目を向けて取り入れているかは、人によって好み、つまり指向があります。これが、感覚機能と直観機能です。前者の「事実・現実的」なものに着目する人は感覚機能、後者の「全体像や可能性」に着目する人は直観機能を指向しているという事になります。

では、実際の職場ではどのような違いがあるのでしょう。
例えば、朝礼でセンター長が話をしたとします。後から、センター長が何を話したかを感覚機能と直観機能の人に聞いてみます。

感覚機能の人は、「まずはこれを言って、次にこれについて話し、最後にこんなことを言っていた」など、時系列で実際の言葉や実際に言っていたことを忠実に表現します。
それに対し、直観機能の人は、「大体こんな事を言っていた」と全体から理解した部分や「こんなこと言っていたけど、近いうちにこんなことをやりたいと思っているんじゃないの?」と今後起こりそうな可能性やイメージを伝えたりします。

このように、事実・実際の情報を収集する人と、全体イメージとそこから読める可能性まで想像して情報を収集する人に分かれます。同じ話を聞いているのに、情報の捉え方に違いがあるのです。この情報の捉え方の違いは、電話対応などのコミュニケーションでも現れます。事実だけを知りたいお客様と全体像や可能性を知りたいお客様のタイプがあるので、お客様の情報の収集方法に合わせた、ベストフィットサポートをすることが、「わかりやすい説明」に繋がります。わかりやすい説明はコミュニケーションテクニックだけではなく、お客様の心に利き手に沿うことも重要なのです。

MBTI理論を活用したコンタクトセンター向け研修コースでは、顧客やオペレータの機能の違いを知り、機能別のベストフィットサポートについて学ぶことができます。

次回は、判断機能についてお話します。お楽しみに。

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