5月末、台湾で初めてのCJM(カスタマージャーニーマッピング)研修を行いました。
今回の研修では、現場見学を試み、大好評を得ましたので、皆さんにシェアーしたいと思います。
皆さんご存じの通り、CJM研修は座学とケーススタディの両方が含まれています。ケーススタディのグループディスカッションを通じて、カスタマージャーニーの方法論や、プロセス、ウォークスルーのやり方などを習得できるのです。
もちろん、今までのやり方で全く問題ありませんが、もっと面白そうな内容を授業に取り入れたいと思い、ウォークスルーの部分を、ケーススタディから店舗の現場見学への変更を検討しました。
それを実現するために、店舗の選択が必要となります。下記条件を挙げました。
- 気軽に見学できる店舗
研修の為に、わざわざ店舗と契約を結ぶ手間をかけたくないので(笑)、気軽に入って、見学できること。大手のチェーン店をいくつかリストアップしました。
- 研修会場に近い店舗
無駄な時間を短縮するために、研修参加者にとって、交通の便がいい、あるいは研修会場に近い店舗であること。
- 同じブランドの違う店舗
店舗間のばらつきがあるかどうかを確認することもカスタマージャーニーマッピングの目的の一つなので、全く違う店舗より、同一ブランドの、異なる店舗が理想的であること。
- 返品可能な店舗
カスタマージャーニーマッピングの大事な一環として、返品の仕組み、流れ、返金のスピードなどを体験できること。
- アシステッドチャネルがある店舗
つまり、店舗に店員さんがいること。研修参加者にとって、商品の選択肢が多くなると、店員さんへの問い合わせがしやすくなります。サイズやデザイン、クオリティなど、自分で触ってみたり試着したりする以外、店員さんのサービスを確認するには、違うサイズや色などありますかとか、自分に相応しい商品はありそうですかとか、店員さんに聞いたり反応を観察したりすることができます。
- 商品が豊富な店舗
カスタマージャーニーマッピングに、顧客セグメントを特定して、ペルソナを具体化することが必要となりますので、同じセグメントではなく、できるだけ複数のセグメントとしてウオークスルーできること。なので、商品が豊富なこと。例えば、ファミリー向け、若者向け、子供向け、オフィシャル向け、カジュアル向けなど、色々選択できる商品がある店舗がよい。
上記を含めて、色々条件を考えた上で、台北中心地のユニクロを見学店舗として選定しました。
研修二日目、受講生を2組に分け、さらに、男女それぞれ2組に分けて、最終的には4組(子供がいる父親、子供がいる母親、男性若者、女性若者)のセグメントで、ウォークスルーを実施しました。
それぞれのグループリーダーを指名し、注意事項を説明した上で、ユニクロへ出発しました。台湾の方々にとって、研修を会場以外のところで実施することは初めてなので、皆、わくわくしていました。
ウォークスルーは2時間予定していましたが、予定外のことが発生しました!
それは、ユニクロのみで2時間が長すぎるということです。
そこで、もう1軒見学店舗を増やすことをその場で決めて、すぐ周りの環境を調べてみました。ユニクロのすぐ近くに、MUJIを見つけました!
MUJIも一番最初の店舗選定のいくつかの条件に満たしているので、ウォークスルーにはOKと判断し、すぐLINEで各グループリーダーへ「ユニクロが終わったら〇〇にあるMUJIへ行って、引き続きウォークスルーをしてください」と連絡を入れました。
最終的には、ユニクロもMUJIも全部ウォークスルーが終了しました!
研修会場に戻り、受講生にウォークスルーの内容をグループで纏めて、発表してもらいました。
台湾の皆さんにとっては初めてのカスタマージャーニーマッピング研修でしたが、研修内容を正確に理解され、ウォークスルーでは顧客セグメントの立場で様々な体験をした結果、たくさんのアドバンテージと改善チャンスを発見できました。店舗では、いつもの自分ではなく、設定した顧客の目線で、店舗のサービスや、レイアウト、買い物、返品、返金などを体験して、非常に斬新で色々勉強になりましたという感想が多くありました。
また、顧客の目線で体験したからこそ、サービス業の従業員として、色々改善すべき所も見つけられて、これから改善していきたいというのが、皆さんの意見でした。
元々予定していた1時間のグループディスカッションでは時間が全く足りず、時間を延長させてもらいました。私も、講師という立場ではありましたが、盛り上がった研修に非常に満足しました!
皆さん、もし機会がありましたら、現場見学ができるカスタマージャーニーマッピング研修を一度体験してみませんか?サービス業で働いている私たちは、いつでも顧客の立場に立って、顧客視点から考えることを、いつまでも念頭に置いて忘れないようにしてくださいね。