1月の第一週に米国にて実施されたCOPCグローバルのリード監査員会議に参加してきました。会議の目的の主なものは、以下となります。
1. 監査員間での監査基準のカリブレーション
2. BPCX研修の試験の評価のカリブレーション
3. 監査手法の標準化、ベストプラクティスの共有
4. 規格の最新リリース(リリース6.1)の変更点や、変更の背景や目的の共有
5. 各リージョンの状況の共有
参加者は、COPC社の各地域(北米、EMEA、APAC)のリード監査員と、パートナー企業である日本のプロシードと中南米(スペイン語圏)のケンウィン社のリード監査員16名が参加しました。
上記の目的を考えると、もう少し頻繁にこの会議が実施されるのが望ましいのですが、なかなか集まる機会がなく、Webinar形式でのオンライン会議(トピックを限定して)はあったものの、前回の実施からは10年近く経過していたかと記憶しています。
会場は、フロリダ州オーランドのユニバーサルスタジオの敷地内にあるホテルでした。とはいっても、ユニバーサルスタジオを満喫してくる時間は当然ありませんでした。ただそんな中でも、COPC社持ちのディナーはあり、世界の監査員の仲間たちとの意見交換を、プロシードから一緒に参加した菊池さんと楽しんできました。
年に2回開催されるCOPC規格委員会でも同席する、クリフやイアンやリチャードはもちろん、プロシードのプライベートセミナーで過去講演してもらった、カイル、スコット、ピーターとも顔を合わせることができ意見交換ができたので有意義な機会でした。
さて、内容について少し触れたいと思います。
CX規格の次のリリース6.1の英語版は1月末に発行されました。日本語版は4月の発行を目標に、現在鋭意翻訳とレビュー中です。今回のリリースは小数点以下の変更なので、アップグレード研修を要さないマイナーな変更です。6.0への大きな改定で、人の手を介さない自動化されたサービスの領域(COPCの言葉ではノンアシステッドチャネルのサービス)をスコープに取り入れましたが、その路線を進めていこうという方向性は変わりません。今回は、読みやすさ、わかりやすさといった視点での文言レベルの変更が主ですが、「マルチチャネルの顧客体験」のように、あまり適用事例がでてこなかった部分の修正や、ノンアシステッドチャネルのサービス提供を行うシステムのマネジメントに関しての要求事項が詳細化された点が主な変更点となります。変更箇所のサマリの文書も公開していきますので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
日本の現状に関しての報告では、以下の内容を中心に伝えてきました。
1. 認証組織数が順調に伸びていること
2. 長期に渡りCOPC認証を維持されている組織が多いこと
3. またその表彰をプライベートセミナーにおいて行ったこと
4. 日本ユーザーグループ(JUG)において新たな取組(交流会)を開始したこと
余談ではありますが、今回の出張で始めて自分のアプリでUberを活用しました。海外出張での一つの苦労は、空港からホテルまでの移動手段の手配でした。前回のCOPC規格委員会の米国出張のときには登録した日本の携帯電話の番号かクレジットカードが気に入らなかったのか、ダウンロードしたUberアプリが使えませんでしたが、今回はうまく利用できました。土地柄かベネズエラとか中南米出身の陽気なドライバーがセカンドジョブとして運転手をしているケースが多そうでした。
アプリでどこからどこまで行きたいかを入力すると、近くを流しているドライバーがアサインされます。どのくらいの時間でつくのか、経路はどうなのか、費用はいくらかが全て前もって分かるし、そのドライバーが今どこを走っているのかが地図で表示されるので安心ですし、便利でした。(ピックアップしてもらう場所をドライバーと確認するのにチャットをする必要があったので、英語ができないとやはり心配なところもありましたが。)支払い手間いらずで、チップを入力することもでき、現金いらず、楽チンでした。
最後に、乗客がドライバーに対し満足度評価を行うのですが、このスコアが悪いドライバーは仕事ができなくなります。うまい仕組みだなと思ったのは、ドライバー側も顧客が評価でき、そのスコアが悪い顧客はUberが利用できなくなるとのことです。
ドライバーはスマホやタブレットを持っていないと仕事ができないのですが、ドライバー教育はどうなっているんでしょうね。評価の良くないドライバーは淘汰されるとはいえ、ITリテラシー、コミュニケーションスキル等、ミニマムスキルとその検証は十分なんでしょうかね。今のところあたったドライバーはいい人ばかりでした。COPCのコンサルタントもほとんどUberユーザーなので、今はもう米国では欠くことのできないサービスになっているように思えました。