この調査は、CXオペレーションにおける、在宅勤務(Work-At-Home: WAH)とコロナ禍のインパクトに関する情報を集める目的で実施されました。この調査のゴールは、業界のリーダーが「コロナ危機とその後」を検討し意思決定をする際に役立つ情報や考え方を共有することにあります。
コロナ危機はオペレーションに対して多くのチャレンジ(困難)をもたらしましたが、それは同時に私たちにイノベーションやトランスフォーメ―ションに向けた弾みや推進力をもたらしたということもできます。CXオペレーションは、コロナ危機に対して在宅勤務の適用という形で対応してきました。私たちは、在宅勤務はコロナ禍への対応を超えるものであると考えます。それは、現在のようなコロナ禍の業務環境においてのみ価値を提供するものではなく、今後に向けても持続するモデルであると考えます。
サーベイの紹介とアプローチ:
COPC社は、コロナ禍への対応と在宅勤務オペレーションに関し、以下の情報を集めるため、広くサーベイを実施しました。
- 在宅勤務のスタッフの割合
- 業務量や顧客要求に関してのコロナ禍の影響
- 在宅勤務化が可能な役割や機能
- 在宅勤務オペレーション実施の際の障害
サーベイでは、75社を対象に100件以上の回答を収集することができました。回答は100人以下のフロントラインスタッフ(CSS)が所属するコンタクトセンターから、10万人を超える組織に至るまで、多様な組織からの回答を得ました。
在宅で勤務するスタッフの割合:
WAH形態で勤務するスタッフの割合には大きな変化がありました。コロナ禍以前では約3/4(72%)にあたるセンターでは、在宅勤務のフロントラインスタッフは存在していませんでした。コロナの発生以降では、90%のセンター(3倍増)がWAHを導入しています。
今後、数週間において(短期の視点)WAHの
フロントラインスタッフの割合が増えると予測するかと聞いたところ、64%が増加を予測し、21%はもう少しビジネスの様子を見てからの
決断とすると回答しています。
コロナ禍のインパクト
グローバルに拡大するコロナ危機は、コンタクトセンターへも様々な面でインパクトをもたらしています。大多数(83%)のセンターは、コロナ禍により顧客コンタクトに影響があったと答えています。半数強(52%)のセンターは以前よりコンタクト数が増加したと、約1/3(31%)のセンターは減少したと答えています。
在宅勤務の可能性
コンタクトセンター組織の属する業界を問わず、サポート機能(レポーティング、クオリティ等)のポジションの在宅化が一番進んで(4/5のセンターが在宅化)います。一方、人の対応にフォーカスした機能(採用、研修等)の在宅化が一番進んでいない(1/3のセンターが在宅化できていない)ことが分かりました。興味深いことに、顧客サービスにおいて中心的な役割を果たすフロントラインスタッフ(CSS)について70%の組織においての在宅化にとどまっているようです。
チャレンジ
WAHオペレーションへの変革にはチャレンジ(困難)が伴います。その困難はセンターによって異なります。インフラの整備ができていないセンター、規制の厳しい業界という環境面のチャレンジがあるセンターもあります。また、スタッフが在宅の勤務環境を確保するのが困難な場合もあります。COPCは、回答者に7つのチャレンジに順位をつけてもらうようお願いしました。
回答者の多く(41%)は、プライバシーの課題、政府の規制、コンタクト要件を最大の課題としています。
一番小さなチャレンジ(困難)は何か?との問いに対しては、41%のセンターが、「スタッフの在宅勤務に対する協力」と答えています。これは、初期の段階ではその通りですが、WAHに関してのリサーチやCOPCの経験から、在宅勤務スタッフの孤独は問題になりつつあると認識しています。
オリジナルのレポートはCOPC社のウェブサイトからダウンロードすることができます。
https://www.copc.com
2020 Report: COVID-19 Work-At-Home Survey Results