CXとAI①

2019.07.16

今回は、CX(カスタマーエクスペリエンス)とAIについて、特にどういった場面・領域でAIが使用できるかについて紹介したいと思います。

AIがCX向上に役立つ3つの領域

現状のAIのレベルであるとCXにおいて使用できる場面は限られています。現状のAIのレベルでも十分に効果が出せる物に関しておおまかに3つの領域があると考えられます。
① セルフサービスにおけるAIの利用
② お客様にあった独自のサービスの紹介
③ CXに大きな影響を与える要因のあぶり出し
今回は、①セルフサービスにおけるAIの利用について説明します。

セルフサービスにおけるAIの利用

具体的な例では、「チャットボット」がこれに当たります。
様々な業界や業種で提供されるサービスが、セルフサービスに置き換わってきています。例えば、今まで有人の窓口でしか申請できなかったものがWEB上で申請できるようになったり、コールセンターに電話をして問い合わせなければ知り得なかった情報がWEB上で知ることができる等がこれに当たります。
チャットボットを利用することで、従来のWEB上で自ら探すことなく、簡単な会話やボタン操作で知りたい情報や申請等ができるため、従来に比べCXが向上すると言われています。
上手くチャットボットを活用していると思う事例として、ヤマト運輸のクロネコメンバーズの荷物問い合わせがあります。今までもWEBフォーム上で配達指定日を決めたり変更できたりしましたが、チャットボットを利用してLINE上に会話形式でこれができるようになりました。
これにより、わざわざWEBページを開き、WEBフォームに入力する手間がなくなったのでCXが向上したといえます。また、普段使い慣れているLINEで簡単に操作できる点もCX向上の要因の一つといえます。
余談ですが、クロネコの語尾の「にゃ」がかわいいとメディアでも取り上げられていました。

CX and AI 1
ヤマト運輸の公式LINE上のLINE上でのチャットボットの様子

ただ、チャットボットにも欠点があります。それは、自然言語処理の能力がまだ十分でないということです。平たく言うと、まだ人間の日常会話を行うレベルにはAIが達していないということです。
人間の日常会話を正しく理解するのは難しく、例えば「モノを片付ける」といった表現でも関西では「モノなおす」と表現されるため、意味を読み間違える可能性が高いのです。
そういった側面から、どちらかというと決められたルートでボタンを押していく、もしくは、簡単な会話で進行していくようなシナリオ型のチャットボットが主流となっています。
シナリオをどのように作成するのかがチャットボットのポイントと言えるでしょう。

今回の記事は以上になります。
② お客様にあった独自のサービスの紹介
③ CXに大きな影響を与える要因のあぶり出し
に関しては、次回以降に書いていきたいと思います。

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