今回も、よりよい従業員体験(EX)を積み上げていくためのヒントを紹介します。
誰しも「承認欲求」というものを持っています。「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求のことです。
組織の中で、「承認欲求」を満たす仕組みを整えることが重要です。
承認欲求その1:自分の成果、成績、実績を褒められたいという欲求
成果に対する肯定的な言葉でのフィードバックや、表彰制度等が挙げられます。
検証で満点だった、OJTで高いパフォーマンス評価を獲得した、無遅刻無欠勤等々、頑張ったことをタイムリーに誠意をもって褒めることが、次も頑張ろうというモチベーション向上に直結します。
承認欲求その2:同僚として、人としての価値を理解され、褒められたいという欲求
この欲求を満たすことは、信頼関係の構築に直結します。
例えば、好成績を残せなかったが、日々努力をしていたことを褒める等、よく相手を観察し、コミュニケーションをとっていなければ、気づくことができないことを評価することです。
特別な事をする必要はなく、自分から積極的に声掛けをし、気づいたことをポジティブに伝え、相手の話を聞く。ただそれだけで十分です。
承認欲求その1を満たす手法を取り入れているセンターは多いと思います。イベント毎など、失念することも少ないでしょう。しかし、対象となる人には限りがあり、常に対象になれない人も存在してしまう側面も持っています。
一方、承認欲求その2は、全員が対象で、常にできることです。承認された、理解されたという経験が積み重なることで、組織内の信頼関係の構築や組織へのロイヤルティの向上にもつながります。
特に日本人は、細かく、できていないことを詰める傾向がありますが、これは承認欲求の真逆の行動です。
4月から新人の育成が始まるセンターも多いことと思います。
採用した人が、途中離脱することなく、デビュー、半年、1年と順調に歩んでいくためにも、「存在そのものを承認すること」を、育成担当者や現場管理者と共有し、意識して実施してみてください。