インターネットやスマートフォンの普及により、昨今は文字によるコミュニケーションが一般的になっています。コンタクトセンターにおいても、電話に加えてメールやチャットといったノンボイスチャネルのニーズが高まっています。今回はメールに焦点を当てて、応対品質向上に向けた弊社の取り組みを紹介します。
メール対応の難しいところは、電話と異なりリアルタイムで相手の反応を確認できないところです。電話であれば声の調子で理解度や感情を推し量ることが可能ですが、メールは文章のみで相手の感情や要望を察して対応する必要があります。また、メールで問い合わせをするお客様は、一回のメールで解決してほしいという心理を持っています。そのため、いただいた情報のなかから真のニーズをくみ取り、お客様にとって最善の提案を行う必要があります。難しく聞こえますが、すぐに取り組めるポイントを紹介します。
内容の要約
本題に入る前に、「お客様が質問されたいことは○○と理解しましたので、回答いたします。」のようにすり合わせができるとよいです。理解した内容を提示することで、お客様の安心感につながります。
情報提供の工夫
要望と回答がマッチしていない可能性もあります。本文の最後に、「回答に不足があった場合は、ホームページのFAQをご覧ください。」のようなプラスの情報を提示できるとよいです。一度のやり取りで完結させるために、お客様にとって必要な情報を想定してメールを構成することがポイントです。
配慮の工夫
要望に応えられない場合もあると思います。ダイレクトに否定するのではなく、「大変申し訳ありませんが」「恐れ入りますが」のようなクッション言葉を活用して柔らかく伝えることで、配慮が伝わりやすくなります。メールから「残念」「嬉しい」などのお客様の感情がみえた時には、共感の言葉を活用することでお客様体験価値の向上につながります。配慮の言葉をたくさん使えばいいということではなく、必要な場面で使うことがポイントです。
論理的にシンプルに説明する
メールは文字で完結させるため、電話よりもより論理的に説明する必要があります。しかし、あれもこれも説明しようとすると文章が長くなってしまいます。まずは一文一意で、短い文でポイントを押さえた説明をすることから取り組むとよいです。
今回はすぐに取り組めるポイントのみ紹介しましたが、弊社のメール応対品質評価ではCXを軸に評価項目を策定し、電話と同じように改善活動を行っています。ノンボイスチャネルのCX向上は、他企業と差別化を図る重要な要素だと考えます。また、メールはお問い合わせフォームからくることがほとんどであるため、お客様目線でわかりやすいフォームのつくりも重要です。情報が不足すると、顧客体験価値のダウンにつながる可能性があります。お客様がお問い合わせをされる前から回答を受け取ったあとの状況や心境までイメージしてサービスを提供することが大切です。次回は弊社のチャットの取り組みを紹介します。