グローバル調査から見るコンタクトセンターの品質管理の現状

2024.06.03

顧客へ提供されるサービスのデジタル化が加速している中、簡単なお問合せはデジタルチャネルで対応されるようになり、有人チャネルへは従来よりも多くの難易度の高いお問い合わせが入るようになりました。

難易度の高いお問合せにはデジタルチャネルでは対応しきれない複雑な問題も含みますが、カスタマーハラスメントのような「誰かに思いを聞いてほしい」といった感情的なものも含みます。

こういった背景から各社では人による応対の重要性が見直されており、現状どのような取り組みをされているか調査をするため、COPC社と協力し、コンタクトセンターにおける重要なテーマの一つである「品質管理」についてグローバル調査を行いました。

この調査では、コンタクトセンターの品質管理プロセス、テクノロジーの活用、従業員のモニタリング、カリブレーション(判断基準合わせ)などについて、グローバルのコンタクトセンター関係者約1,000名からの回答結果をもとに現状を掘り下げています。

今回は調査結果の一部をコラムでご紹介致します。ぜひ貴社の戦略立案、推進にお役立て頂ければ幸いです。

◆調査期間:2023年1月16日~5月31日
◆調査対象:全世界約1,000名のコンタクトセンター関係者
◆調査方法:インターネット

調査結果トピックス

  1. ほぼ全てのコンタクトセンターで品質管理は行われている
  2. 【課題①】品質管理にデジタルツールを利用しているのは約6割、満足度も約6割
  3. 【課題②】目的別のモニタリングが使い分けられていない
  4. 【課題③】頻繁に発生する問題の特定は行っているが、その改善が顧客満足度に繋がっているかは分析されていない

①ほぼ全てのコンタクトセンターで品質管理は行われている

はじめに、どれほどのコンタクトセンターで品質管理の取り組みが、どれほど重要なものとして行われているか分析をするために以下の調査を実施しました。

1.運営方針(当年の目標)に含まれているか?

2.品質管理を行っているか?

結果、おおよそ7割の組織の運営方針(当年の目標)の中に「品質」が含まれており、おおよそ9割がいずれかのチャネルにおいて品質管理を行っていると回答し、非常に重要なテーマとしてほぼ全てのコンタクトセンターで行われていることがわかりました。

※SST=セルフサービステクノロジー(チャットボットなど、直接人によるサービス提供を行わないチャネル)

②【課題①】品質管理にデジタルツールを利用しているのは約6割、満足度も約6割

次に、この多くのコンタクトセンターにとって重要である品質管理に対して、どれほどのコンタクトセンターが音声自動分析などのデジタルツールを利用しているのかを分析するため以下の調査を実施しました。

1.モニタリングにおいてデジタルツールを利用しているか?

2.そのデジタルツールには満足しているか?

結果、品質管理(モニタリング)においてデジタルツールを利用しているのは、おおよそ6割であり、満足度(とても満足 と 満足 の回答者の割合)もまた6割ほどでした。

このことから業界全体としてコンタクトセンターの品質管理においてデジタルツールの活用が進んでいるものの、その適用・成果について全ての企業が満足しているわけではないことがわかりました。これはデジタルツールの課題でもありますが、利用者側の課題であるとも考えることができます。

例えば品質管理プロセスそのものに問題があった場合、デジタルツールを導入したとしても、つまり方法を変えたとしても内容自体に改善はなく同じ問題に直面し、期待していた成果を得られないためです。次にこのプロセスそのものの問題についてみていきます。

③【課題②】目的別のモニタリングが使い分けられていない

今回の調査では品質管理に重要となる様々な側面について包括的な調査を行いました。今回ご紹介するのは業界全体の課題が発見された側面の一部です。まずはモニタリングの方法についてです。有人チャネル(オペレーター)のモニタリングで活用されている方法について調査をした結果が以下です。

単体で最も多いのは「録音によるリモートモニタリング」であり、それ以外の方法も5割を超えていました。しかし、いずれの方法でもモニタリングを実施しているのは43%のみでした。

方法が異なれば見えるポイントも異なります。例えば録音によるリモートモニタリングであれば自然なオペレーターの応対のレベルや、問題があった応対に対してピンポイントで原因を調査することができます。センター全体の品質を把握するための抜き取り調査の方法としても客観的であるため適切です。

反対にモニタリング実施者がオペレーターの文字通り真横について応対を確認する「サイドバイサイド」は客観的なモニタリングになりません。なぜなら単純にモニタリング実施者が真横にいるため多くのオペレーターが普段以上の努力をする可能性が高いためです。とはいえ、応対中のPC操作やログの記録など、課題のあるオペレーターに対して改善機会はどこか作業面から見るのに適しています。

このように、目的によってモニタリングの方法を使い分けるのが効率と成果の高い品質管理ですが、これができていたのは4割程度と低いことがわかりました。

④【課題③】頻繁に発生する問題の特定は行っているが、その改善が顧客満足度に繋がっているかは分析されていない

最後にご紹介するのはモニタリングの結果の分析です。ここで紹介するのは対象者へ「モニタリングスコアと顧客満足度の関係について分析しているか?」と調査した結果です。

今回の調査では有人チャネル(オペレーター)も、SSTでも7割ほどのコンタクトセンターでこの分析がされていることがわかりました。残りの3割のコンタクトセンターではこのような分析がされておらず、非効率な品質管理が行われている可能性があることがわかりました。

両者の関係性を立証できていなければ、顧客満足度の向上に繋がるかよくわかっていない中でモニタリングへの投資を続けることになります。こういったコンタクトセンターで良く起こる問題が「モニタリングスコアは高いが、顧客満足度は低い」や「モニタリングでよくミスが付く項目と、顧客満足度調査でお客様からご指摘頂く項目が異なる」などという問題です。

このような状態で、例えば冒頭で紹介したテクノロジーを活用したとしてもそもそも内部でのチェック項目が、顧客が重視する視点とずれているためいくらモニタリングを行いスコアを改善したとしても最終的に重要となる顧客満足度に繋がりません。

まとめ・参考情報

従来、品通管理は手作業で通話を聞き取り、エクセルなどの集計ソフトに結果を記録して手作業で分析することが一般的でした。しかしAIの応用などによるテクノロジーの発展から音声分析や自動化を活用する方向に品質管理でもシフトが始まっています。品質管理は多くのコンタクトセンターで重要なテーマとして捉えられており、今後ますます盛んな投資が行われることでしょう。

コンタクトセンターとしては積極的なデジタルソリューションの導入の前に、先述の通りプロセスの改善を行うことが求められます。今回の調査では、この調査リリースで紹介されていないその他の様々なプロセスに関する調査結果をまとめています。ぜひ業界動向に関する貴重な現状を知るとともに、グローバルなコンタクトセンターと自社を比較して改善機会がないかの参考にしていただければ幸いです。

本レポートの金額や購入方法・内容についての概要はこちらから> 

本書に掲載されている内容:

  • 品質管理の方法
  • 品質管理関連テクノロジー
  • 管理指標
  • モニタリングとカリブレーション(判断基準合わせ)

など

Related Articles

関連記事

カスタマーエクスペリエンスのその先へ
貴社の顧客体験の悩みにお答えします