多くのコンタクトセンターで、VOC(お客様の声)を活用するために、さまざまな方法を用いてデータを収集され、お客様満足度の維持・向上や問題解決に取り組まれていることと思います。
みなさんのセンターでは、活用目的にあわせたデータの収集はできていますでしょうか。
もっとも活用対象データとして多いのは、コールログ(応対履歴)ではないでしょうか。入電経路やコールリーズンの種別、会話の内容など、システムの入力に必要な箇所は決まっており、ルール化されている。しかしながら、お客様との会話内容をどのように残すのかは、オペレータに委ねているケースが多いために、良質なVOCを「残す化」できていないという事象を招いています。主な事象としては、2つあります。
事象① 実際の音声で確認すると、お客様との温度感差がある内容となっている。
事象② オペレータ側で要約し過ぎてしまい、お客様の生の声が残されていない。
これら2つの事象を解決するためには、VOCの活用目的の明確化と応対履歴の残し方のルール化が不可欠です。
上記以外にも、そもそものVOC収集の阻害要因として、日々の応答率問題も考えられます。
処理件数が優先されてしまうことで、お客様に対して深堀して訊き出せていないために
真意を汲み取り切れず、表面的な回答に留まってしまい、履歴に肝心なキーワードが含まれない内容となる可能性が高いということです。
お客様への深堀質問・アクティブリスニングについは、また別の機会にお伝えしようと思います。
COPC CX規格CSP版(2.1 顧客情報の収集と分析)では、幅広い範囲からの声を収集・評価し、適切な行動を取るための体系的なアプローチを持つことと謳っています。また、顧客体験(4.1 顧客体験の測定)は、最低月次で測定し、四半期毎に分析することが要求項目としてもあげられています。
「VOC活用の明確化」→「良質なVOCの残す化」→「VOCの見える化」のステップを踏んで、有効な改善活動につなげていきましょう!