プロシード通信は、CXを上げるためにポイントとなる考え方やヒントをお届けする連載コラムです。
最新のグローバル調査からOne on Oneは実施頻度が高いだけで、さらにいうと実施するだけで従業員の体験にポジティブな影響を与えることがわかりました。今回はこのグローバルの調査結果と日本国内の最新調査結果を見比べながらどういった従業員体験の側面にOne on Oneが寄与するのか紹介します。ぜひ貴社のマネジメントにご活用頂ければ幸いです。
なお、本コラムでは国内外の最新調査結果の一部分を紹介します。最新の国内調査結果の全容をご紹介し、その結果に基づき組織はその体制と機能においてとくにどこを重点的に改善していくべきか、国内のWell-beingトレンドについてご紹介する無料オンラインセミナーを11月24日に開催致します。ご興味がある方はぜひご参加ください。
調査について
- グローバル調査
2022年11月~2023年4月にCOPC社が7,000名のカスタマーセンタースタッフに実施したグローバルサーベイ - 日本国内調査
2023年5月~8月に弊社(株式会社プロシード)が11,434名のカスタマーセンタースタッフに実施したアンケート調査(Well-being CUSTOMER CENTER AWARD2023)
One on Oneについての設問は任意回答のためN=5,711
実施頻度
以下がグローバルと国内の調査結果を比較したグラフです。
最も多いのはグローバルでも日本でも「月1回以上」でした。ただし日本の方がグローバルよりも週1回以上と2週に1回以上、つまり月に2回以上実施している方の割合が11%ほど低いことがわかりました。
実施是非と仕事の継続意欲
以下が上述の実施頻度と継続意欲を比較したグラフです。
One on Oneの実施頻度ごとに継続意欲に関する設問に対してポジティブな回答をした方の割合を算出しています。
※グローバル=5段階評価におけるTOP2BOX(5:とてもそう思う+4:そう思う)
※日本=7段階評価におけるTOP3BOX(7:とてもそう思う+6:そう思う+5:ややそう思う)
グローバルも日本も3か月に1回以上しているグループは、実施していないグループと比べ20%仕事の継続意欲が高いことがわかりました。ただし実施頻度が高くなればなるほど明確に仕事の継続意欲が高くなる可能性は低い結果でした。内容に関わらず実施しているか・していないかだけで違いがあるのはグローバルでも日本でも同じでした。
実施することにより改善する従業員体験の側面
One on Oneはその内容に関わらず、実施するだけである程度従業体験に対してポジティブな効果があることがわかりましたが具体的な効果・実施することで向上する従業員体験の側面はなんなのかインサイトを得るために、日本国内の調査結果から「One on Oneに満足しているグループ」と「そうでないグループ」を分けて、今回実施した全設問のTOP3BOXを算出し、差異が最も高い設問TOP10を抽出しました。以下がその結果です。
チームや認め合いに関する設問が多く、上司や同僚との関係、また自分と仕事の関係(自身の仕事に対する肯定)などが良好になっていることがわかりました。
また「One on Oneに満足している」と回答した方の理由についてフリーコメントで見たところ以下の回答が多く目立ちました。
◆満足しているグループ
- 不明点は解消されているため
- 親身になって聞いてくださるから。
- 悩み等の相談もできているから
- 親身に話を聞いていただけるため。
- 同じ目線で話をしてくれるため
- 上司が真摯に話を聞いてくれるから
- もう少し話す機会があればと思います
- 適切なフィードバックを毎回いただいているため
- わからない質問などしっかり答えてくれるため
◆満足していないグループ
- 意見が反映されていないように見受けられる
- 無理にコミュニケーションをとる必要はないと思う
- 面談の目的があまり理解できていない
- 可もなく不可もなく、といった内容です
- 期待している回答よりずれていると感じるため
- 評価されていないと感じる
- 業務で思っている事はお伝えできているが、感想だけで返事に内容がない
同じ目線で話を親身になって聞き、それに対して行動できている、または目線を納得のいくようにOne on Oneを通じて揃えることができているかがカギのように見ることができる結果でした。
最後に
今回のOne on Oneに絞った集計で、One on Oneに代表されるようなコミュニケーションは従業員の体験に影響を与えることがわかりました。組織はこの場を設けること、正しく運用されているか従業員の声の収集含め把握すること、そして継続的にさらに良くしていくことが必要です。
ただし、従業員の幸福度はOne on Oneだけやっていれば上がるほど単純なものではありません。その他にも考慮すべき要素が様々あります。Well-beingの実現・促進を達成できている組織が共通してマネジメントしている要素やプロセス、指標はなんなのでしょうか。
それがまとめられているのが先日リリースされた「Well-beingスタンダード」です。以下のリンクより資料について紹介しております。
なおこのWell-beingスタンダードについて、またこのコラムで1部を紹介した国内のWell-beingトレンドについてご紹介する無料オンラインセミナーを11月24日に開催致します。最新の国内調査結果の紹介、またその結果に基づき組織はその体制と機能においてとくにどこを重点的に改善していくべきかご紹介させて頂きます。ぜひご参加ください。