リモートにおけるモニタリングカリブレーション(=基準あわせ)成功の3つのポイント

2020.05.12

今日は、新型コロナウィルス対策のため三密回避運営の中にあって、「モニタリングのカリブレーションができない」「コーチングができない」と悩まれる品質管理者へのメッセージです。
吉報!!「リモートだってカリブレーションもコーチングもできます!」
今回はカリブレーションをテーマに記載します。

そもそもリモートではなくても、日頃から「結局あわないまま時間切れ」「意見出しで終了してしまう」「毎回厳しい評価、甘い評価の中間地点が落としどころになるが、それで良いのかわからない」「カリブレーションのたびに基準書が膨大になっていく」などなど、カリブレーションに悩んでいるセンターは多いものです。

カリブレーションに限らずですが、リモート運用成功の鍵は、対面より<ポイント>と<手順(進め方)>を明確にし、人が行うべきセッションの論点を明確にして有益な意見交換を実現し、合意に導くことです。日常のカリブレーションの悩みを解消するためにも、<ポイント>と<手順(進め方)>を明確にし、効果的なカリブレーションの成功体験に繋げてください。

■カリブレーション成功の3つのポイント■

カリブレーション成功の3つのポイントは以下です。

ポイント1:参加者の考え方あわせのみならず、結果を合わせる体験を積み重ねる。  

ポイント2:「項目あわせ」と「レベル感あわせ」を実施する。

ポイント3:参加者一人一人が課題を確認し、項目やレベルのずれを補正する。    

ポイント1
カリブレーションは、1回の開催で終了する活動ではありません。センター全体の継続的な活動です。1回のハードルは高くせず、1段ずつ階段を上って徐々に全体の結果をあわせていくイメージで実施しましょう。例えば初回は1項目、当たり前基準(必須レベルの基準)をテーマとして実施する…のように、毎回テーマや項目を定めながら、参加者で合わせる体験を積み重ねることによって、回を重ねるごとに品質全体の考え方や評価結果の合致確度を高めることに繋がります。

ポイント2
参加者全員で理解を深めるため、ずれのポイントを分析的に捉えながら進めると良いでしょう。一般的には、ずれのポイントとなる事象は2つのポイントがあります。
1.「項目のずれ」・・ある事象をどの項目で評価するか
2.「評価レベルのずれ」・・どのレベルで欠陥とするか
項目とレベル感を混ぜて意識あわせをしようとすると迷走してしまいます。それぞれの観点で確認すると良いでしょう。

ポイント3
日々癖づいた評価根拠は、簡単に変えられないものでもあります。その場でわかったつもりになることで終わらせず、再度評価したものを確認することによって、しっかりと定着するところまでを確認できると良いでしょう。

さて、リモート運用においては、対面開催よりも、セッションに集中できるよう、事前準備もプロセスと終了後プロセスに役割を分け、手順を明確にすることが成功の鍵となります。

以下手順の一例ですので、ぜひ参考にアレンジしてみて下さい。

■カリブレーションの手順事例■

事前準備

※リモートのポイント
対面カリブレーション内で実施していたいくつかを事前準備として行います。
例えば音声確認。
リモートの場合は、セッション時間を意見交換に集中する環境を整えるために、
事前にポイントも含めて音声を共有し、評価結果を集約して評価ずれ傾向を事前に
捉え、リモートカリブレーションがスムーズに進行できるよう準備しましょう。

① カリブレーションマスター(セッション進行役)を定める
② マスターがカリブレーション音声を選定し、事前評価、テーマを決める
③ マスターから音声のアクセスポイントとともに、今回の注力ポイントを共有する
④ 参加者全員がマスターからの注力ポイントに留意しながら評価し結果を格納する
⑤ マスターが結果を確認し、ぶれの傾向を把握する

カリブレーションセッション

※リモートのポイント
「項目ポイント」と「レベル感」に関するずれの改善ポイントを持ち帰ることが
できるよう、全員参加型でセッションを進めます。項目ごとの評価ポイントを
マスターが説明した上で、評価者にコメントをもらい、続いてレベル感あわせと
いう順で進めると良いでしょう。レベル感あわせでは、厳しめの評価者の評価根拠
から聞くと良いでしょう。厳しめの評価者は概ねは正しい着眼点を持っています。
着眼点を合意することから始めることによって、それが本当に「お客様にマイナス
を及ぼすか?」「センターとして欠陥とするレベルか?」というディスカッション
に終始することができます。

⑥ 項目あわせのディスカッション
⑦ レベル感あわせのディスカッション
⑧ 全体の合意

事後実施事項

※リモートのポイント

最終補正がゴールですので、手順を定め最終の改善結果まで確認しましょう。

⑨ セッション結果をふまえ再評価した内容を格納してもらう
⑩ ずれた評価者にはフィードバックを行う

品質は、じっとしている間に1日三歩後退する領域です。常日頃のカリブレーションにおける悩みも解消するために、カリブレーションのポイントと手順を明確にし、リモートの時期を機会に、効果的なカリブレーションにレベルアップを図りましょう。

次回は<リモートでもできるコーチング>をテーマにします。

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