コンタクトセンター業務は、様々な問合せにも対応し、また専門性が高いことから、それを専門に扱っている企業や組織に業務委託をしている企業も少なくありません。
しかし業務委託を行っている”発注組織”の方にお話を聴くと、以下のような声があります。
「場所が遠隔でコミュニケーションがとれない」
「ちゃんとやってくれていると思うけど、何の提案もあがってこない」
「なんで応答率が低いのか。ちゃんと電話を取るのが委託先の仕事じゃないのか」
「委託費用、高すぎるんじゃないか」
「長く業務を委託していて、知識がブラックボックスになっている」
「応対品質が低くて、クレームが多い」
かく言う私も、前職ではクライアントから業務を委託され、センター運営をしていました。その当時、発注側(クライアント)との関係は良好でしたが、上記のようなニュアンスで、ご意見を一部いただいたこともあります。
発注側と受託側の関係から、どうしても発注側の声が強くなりがちです。では、発注側の「意見」や「要望」は、受託側のマネジメントスキルや運営ルールの問題が引き起こすものなのでしょうか。
今まで様々な発注側組織を調査していますが、発注側のマネジメントに問題があるケースが少なくありません。では、発注側組織がマネジメントすべき領域にはどのようなものがあるでしょうか。今回は発注側組織が委託先を管理する上で、特に課題が多い領域をご紹介します。
【委託先要件管理】
・センター要件、発注側と委託側各々の役割が明確になっていない。
・RFPに必要事項が含められていない。
・委託先を選ぶ際に、選定手順や基準が定められていない。
【人材管理】
・現場管理職やオペレーターに求める役割やスキル要件が明確になっていない。
・研修などは委託先任せになっていて、オペレーターのスキル保有状況が分からない。
【品質管理】
・モニタリングシートを共有しているが、評価基準は委託先任せになっている。
・委託先独自のモニタリングが行われていて、点数のみが報告される。
【パフォーマンス管理】
・特定のKPIのみが測定され、実態を把握することができない。
いかがでしょうか。発注側組織に所属されている方は、委託先の運用に一言伝える前に、まずは自らの組織のマネジメントを見直してみてください。