歳を取ると誰しも耳が遠くなりますよね。最近では、30代くらいから耳が遠くなってしまう人も多いそうです。
なぜ「きこえ」が悪くなるのでしょうか?
そして、どのようにすれば誰にでも聞き取りやすい対応ができるのでしょうか?
「きこえ」の低下する原因
耳の奥に「かたつむり」があるということは、学校で習ったと思いますが、正しくは「蝸牛」といいます。この「蝸牛」には産毛のような毛が生えており、その毛が音を感知して脳へ音の信号を伝達します。この毛は加齢と共に抜けてしまうため、「きこえ」が悪くなります。長時間、大音量で音を聞き続けることも、抜け毛の原因となるため、若い世代にも「きこえ」が悪い人が増えてきています。なお、この毛は二度と生えてきません。蝸牛は外側が高音、内側が低音に関係するのですが、毛は外側から抜けていきます。
「聞き取りにくい音」とは
高齢者の「きこえ」の特徴は、高音が聞き取りにくいことです。これは、会話の中で子音が聞き取りづらい、ということです。具体的には、タ行、サ行、カ行、パ行、ハ行で、言葉の頭に来ると、より聞き取りにくくなります(例;7時(しちじ)が1時(いちじ)に聞こえる、等)。
その他、毛が抜けてしまうことで、音の伝達能力が落ちると情報量も落ちるため、早口も聞き取りにくくなります。また、聞こえそのものが、全体に割れたような、ゆがんだ音に聞こえるようになります。
案外知られていないことですが、大きな音は若い時と同じ、あるいは、よりうるさく感じるともいわれています。
どうすれば聞き取りやすくなるのか
聞き取りにくい音を理解したうえで、以下に気を付けることがポイントです。
- はっきり、ゆっくり
- ことばの言い換え
- ゴールを提示した文の構成
1.はっきり、ゆっくりはイメージしやすいと思いますが、特に子音は意識してはっきり発音しましょう。
2.ことばの言い換えはどのようにすればよいでしょうか。
例えば、以下のようなイメージです。
週末→土曜、日曜
7時→ななじ
3.ゴールを提示した文の構成 はどうしたらいいでしょうか。
長すぎる文章や言葉も聞き取りにくいので、間を取り、話すのがポイントです。例えば、以下のようなイメージです。
明日の3時までに振り込みいただければ、間に合います。
→振り込みは、明日、3時までなら間に合います。
以上のことは、特別にやらなければいけないこと、そう思いましたか?
今ではどこにでもあるウォシュレットトイレは、元々は障害のある方向けに開発されたものですが、使ってみたら誰もが快適に感じ、一気に普及しました。同じ考え方ですね。
普段の対応にも取り入れることで、「誰かに対する特別な対応を練習する」ことなく、誰にでも聞き取りやすい対応ができます。
「聞き返されることが多い」「正しく伝えたはずなのに、間違えて返されてしまった」「高齢者対応が増えてきている」等があるようでしたら、ぜひ、皆さんのセンターでも、「きこえ」のバリアフリー化に取り組んでみてください!
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