今の日本において、多くのセンターで聞かれるのは、「人が採用できない」ということ。潤沢に応募者が集まれば、条件に合わせた選考もしっかりできるのですが、応募者も来ないとなれば、選考できないというのが今の多くのセンターの悩みでしょう。
採用が困難であれば、如何に離職者を減らすかも重要となりますが、離職者を減らす活動は何をしていますか?
COPC規格では、四半期ごとの従業員の声の収集と1年に1回の従業員満足度調査が要求項目としてあります。従業員からの声の収集方法は様々あり、ミーティング形式や面談で聞く方法、上長のさらに1つ上の長が声を聴くスキップレベルミーティング、目安箱やアンケートなどありますが、どんな声を集めたいかに合わせて、方法を決めることをお勧めします。つまり、どんな声が集まるかがわからないまま実施するのではなく、目的に合わせて集めやすい方法を選ぶということです。
例えば、センターの環境やルールなど統一のものに関してはミーティング形式で聞いていく、個人的な事情や人間関係が含まれるような内容は面談やスキップレベルミーティングで聞いていく、多くの方の傾向を確認したい場合はアンケート形式で聞くなど、目的に合わせて、その都度やり方を変えるのもいいでしょう。
また、何を聞いていくかですが、退職者に退職理由を聞いても本当のことを言ってくれるとは限りません。だからこそ、退職を決めるその前に本当の声を聞いていくのが必要です。
デビュー直後の方には、「研修中とデビューしてから、働きやすさの違いはありますか?」、中堅の方には、「働き方に対し、希望や不安はありますか」など、何にやりがいを感じるか、退職したいと思うようなものはないかなど、従業員が長く働きたいと思うものは何かを聞いていくことが重要です。
従業員は給与や福利厚生も重要ですが、決してそれだけではなく、「給与は安いが、人間関係がいい」、「困ったときにみんながフォローしてくれる」といった数字やルールでは語れない声を集め、何がセンターの強みで何を改善すべきかを捉えるのです。
しかし、アンケートが年齢やポジション、勤務年数を答えさせるような要素が含まれていると、本当の声は隠されてしまうので注意が必要です。
ここまですれば、従業員は満足しているだろうという幻想により、従業員の真意が見えなくなることがないように、しっかりと声を集めましょう。