19年12月下旬、台湾で初めてのCOPCベースラインアセスメントを実施しました。主体組織は台湾の市場占有率が高い大手銀行のコンタクトセンターで、非常に貴重な台湾アセスメントを体験することができました。
*クライアント情報保護のため、社名は非公開にしているので、ご了承ください。
台湾には、営業活動のために何回も行きましたが、COPCのベースラインアセスメントは初めてなので、現場の反応はポジティブなのかネガティブなのか、課題の掘出しは順調かどうかなど、色々不安がありました。実際、アセスメントを開始してからクライアントの積極的なインタラクションと前向きな態度を強く感じ、一週間を楽しく過ごすことができました。
アセスメントは初日朝一のキックオフミーティングからスタートしました。
キックオフミーティングでは、クライアントにアセスメントの流れや、お願いしたいことなどを説明しました。通常のベースラインアセスメントでは、センターの方々は緊張されていることが殆どなのですが、このセンターの管理層の方とは、これまで何度となくやり取りをしてきたこともあり、「待ちに待ったアセスメントが始まる!」と、皆さん非常にテンションが高く、盛り上がっていました。
インタビューは日本と同じ流れで行いましたが、その中で印象に残っていることを、皆さんへシュアーします。
1. インタビュー現場の雰囲気は賑やかでインタラクションが多かったです。
例えば誰かの話が終わっても、多少不十分な所があれば、他の担当者が積極的に補足してくれました。そのおかげで、多くの情報をインタビューで確認することができました。
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2. 会社の優れた部分を積極的にアピールする姿が見えました。
例えば、事業計画の変化と調整を詳しく説明してくれました。事業計画をより理解しやすくするためだと思いますが、管理層の方からの3年間の事業計画の大きな変更点、毎年の傾向やメインの変更点、特徴などの説明を通じて、会社の過去・現在・将来の発展を一目瞭然で把握できました。
3. オープンな態度で会社の悩みや課題、困っていることを教えてくれました。
例えば、アセスメントなので、皆「適合」か「不適合」かを心配していました。私からアセスメントの目的は「適合」「不適合」ではなく、改善のチャンスを見つけることが大事だと説明し、素早く共通認識を得ることができました。グローバルな優秀なセンターへ目指して向上したいというポジティブな改善意欲は非常に強かったと感じています。
4. 異なる考え方を素直に伝えて、隠せずに意見交換をしました。
例えば、「明確なSOPの必要性」について、クライアント側の担当者達は「メインは新人研修に使う資料なので、SOPは確かにそこまで明確にしていないが、新人研修の講師は新人に詳しく教えているので、これで十分ではないですか?」と聞かれました。「明確なSOPはばらつき管理の一部でもあるし、既存プロセスの改善チャンスを探す上で、プロセスが明確であればあるほど、発見しやすい、効率的でしょう?」等、幾つかの例を含めて説明したところ、すぐ納得してくれました。「あ~なるほど!確かにその通りだ。いまやっと理解できました。近いうちにSOPをレビューして内部でディスカッションをしてみますよ」と、そのパートのインタビューは皆の笑顔で楽しく完了しました。
5. 現場担当者達の真面目で可愛さを感じていました。
例えば、コンテンツ管理のパートのインタビューを実施中に「Anneさん、私たちの仕事は、重要なのでしょうか?」と、皆期待している顔で私に聞いてきました。私は「もちろんですよ!」と回答しました。そして、コンテンツ管理はKCRポジションとしての重要さとコンテンツ管理の大変さ(何もないことが当たり前、何かあったらすぐ指摘される)などを話したところ、担当者達は子供のような素直な笑顔で、ものすごく喜んで、「やっぱり私たちの仕事は大事ですよね!良かった、ありがとう!」と言って、感謝してくれました。
実際、コンテンツ管理に限らず、どのポジションも会社にとって重要です。しかし
、おそらくコンテンツ管理の担当者は、常日頃、多少なりとも自分の業務の存在価値に不安を持っているのだろうと思い、最終日の報告会で、私はコンテンツ管理の重要性と担当者の価値を参加者全員に伝えました。
アセスメントには直接に関連していないかもしれませんが、第三者の立場でセンターの方々を応援したいという気持ちはずっと持っています。その些細なことでも感謝してくれたあの時の担当者達の笑顔は、多分忘れることはないでしょう。
6. 謙虚で強い勉強意識を持っていると感じました。
例えばWFMの担当者から、インタビューの隙間時間や、夕方のディスカッションなどの時間を利用して、普段の仕事について様々な質問を受けました。その信頼に応えて、私は、ベストプラクティスや使いやすいツールなどをできるだけシェアーしました。「謙虚は人を成長させる」という精神を強く感じていました。もちろん、その一週間、私も皆さんから色々教えてもらいました。私より、管理者や現場の方々は各領域のプロなので、アセスメントは私にとっても非常に貴重な勉強のチャンスだと思います。
最後のイメージは、冬に実施したアセスメントながら、非常に温かいものです。
報告会のすぐ後の週末は「冬至」なので、クライアントは私たちを含めて、参加者全員へ美味しい「冬至のもち団子」を用意してくれました。途中の休憩を利用して、皆で一緒に食べて笑って楽しく喋っていました。不思議と、その場にいた私は温かい気持ちに包まれました。
*現場で写真撮影していない為、写真はイメージ
一週間のアセスメントは非常にハードなものでしたが、クライアントから認められたことで、疲れも吹き飛んでしまいました。久々の母国語でのアセスメントは、私にとって、大満足でした(笑)。加えて、監査員としてだけでなく、信頼できるビジネスパートナーとしてより多くの企業をサポートしていきたいという気持ちが以前にも増して強くなりました。