2020年3月、新型コロナウイルス対策の影響で、(可能な場合は)在宅勤務を推奨する組織も多いのではないでしょうか。
しかし、コンタクトセンター勤務者、特にSVやオペレーターを一朝一夕に在宅勤務とすることはできません。今後は在宅オペレーター・在宅勤務でのコンタクトセンター運営の可能性を検討される企業もでてくるでしょう。
在宅勤務はセンターへの通勤が不要=居住地に関わらない人材の獲得が可能という非常に大きなメリットがあります。その他にも、もちろんセンターの賃料削減やBCP(ビジネスコンティンジェンシープラン=事業継続性)の確保にもつながります。
ただ、わかってはいてもなかなか実現できないもの…。特に在宅というリモート環境下における教育、周知の徹底、応対品質の均一化・保持を行うことは非常に難しいです。
在宅勤務のモデルには大きく2つあります。
1. オペレーターはコンタクトセンター付近の居住者に絞り、研修や応対評価、面談はコンタクトセンター内で実施するモデル
2. オペレーターのコンタクトセンターへの出勤はなく、教育・応対評価などすべてがリモートのセッションにて完結するモデル
今回はその中から『2:すべてをリモートのセッションにて行う完全在宅型』における、教育に目を向けてみましょう。
まず、前述の通り、完全在宅型運用の場合は、研修からモニタリング、普段のコミュニケーションまでの全てを、メールやチャット、音声通話を用いたリモートセッションにて行います。
リモートセッションに参加されたこともある方も多くいらっしゃるかと思います。
かく言う私も、リモートでの会議やセミナーに参加することがありますが、誰が話しているのか、今は質問してもいいのか、どのタイミングで質問すればいいのか、戸惑うことがあります。
そういった場合は、リモートセッション参加時のルールを事前に定めると効果的です。
私が以前勤務していたセンターのリモートセッションには、下記のようなルールがありました。
リモートセッション 基本のルール:
① 開始3分前までに接続する
② 開始時に音声や映像は問題ないかを確認する
③ セッションの目的を伝え、参加者を確認する
④ 発言する際は名前を言う
⑤ 発言者は通常よりもゆっくり、間を多めにとる
⑥ 質問は原則チャットで行う(質問時間を待たず、リアルタイムで質問を送付する)
⑦ 各テーマの終了後に必ず質問タイムを設定する
質問の有無はチャットで全員回答する
(カメラがオンになっていればボディランゲージ、カメラがオフの場合はチャットもしくは__
のような反応ボタン押下(あれば)、など)
⑧ 発言しないときはミュートにする
こういったルールがあると、
「このセッション(研修)って何をするものだったっけ?」
「いつ質問しよう…」
といった戸惑いもなく、非常にスムーズにセッションを進めることができます。
更に、研修実施時には、以下6つのルールを追加していました。
研修 基本のルール:
A) 録音・録画・資料ダウンロード・SNSへの投稿不可
資料はオンライン上に格納し、必要な際は都度オンライン上で閲覧
B) ツール操作は画面共有、もしくは研修用に録画した操作動画を再生
C) 各モジュールの終了時にはミニテストにて理解度確認
D) 週次で前週・該当週に実施した内容の理解度テストを行い、不合格時は補講を受講
E) ロールプレイングの際は受講生の操作画面を共有し、閲覧資料・ツール操作をチェック
F) OJT(実際の顧客対応)時は、受講生の画面共有+三者通話状態(顧客+受講生+OJT担当者)
で実施し、対応に苦慮する場合は保留⇒OJT担当者へ対応交代
※受講生とOJT担当者は、自身が発言しない場合はミュート
※顧客へは三者通話になっている旨を伝えない
在宅勤務に特化したルールや運用の詳細は、COPC CX規格 在宅勤務ガイド に記載しております。
要員計画からオペレーターのパフォーマンス面談まで、【在宅業務だからこそ】の注意点が満載です。在宅勤務導入検討の際には、是非ご一読ください。