第三回 AI活用のポイント:上手に学習済みモデルを使いましょう

2018.09.14

前回の記事では、AIの概要・歴史に関して触れました。今回では、実際にAIを活用する上でのポイントについて書いていきます。

AIを作成し、使用するまでの流れとして大まかに、①データの収集②データを使用しての学習③学習済みモデルの検証といったものがあります。

AI活用で一番のネックにもなるのが②データを使用しての学習になります。
理由として、「学習を進めるだけのデータがない」「学習を進める上での最適なパラメータ設定がわからない」「どのアルゴリズムを使用するか悩んでいる」等があるかと思います。

そのような課題を解決するために、既存の学習済みモデルを使用する方法があります。

具体例として、Microsoftが提供しているサービスでAzureの「Cognitive Service」というものがあり、APIで学習済みモデルを使用することができます。
「Cognitive Service」では、2018年5月時点で、「視覚」「音声」「言語」「知識」「検索」という五つのカテゴリーがあり、合計24種類のサービスが提供されています。

例えば、「音声」カテゴリーにあるサービス「Speech Service」では、音声から自動的にテキストを出力するAIの学習済みモデルが提供されています。また、テキスト化されたデータにインデックスをつけ、感情やキーフレーズを検出することができます。

「知識」カテゴリーにあるサービス「QnA Maker」では、会社が持っているFAQ(よくある質問とその回答)ページなどの既存コンテンツを入力することにより、FAQの内容を回答するチャットボットが作成できます。また、このチャットボットは質問の意図解釈を行うので、元のFAQに書かれた言い回しと異なる質問でも、認識して回答できます。

今回は、コールセンターで利用しやすいサービスを取り上げましたが、この他にも多くの学習済みモデルがあり、それぞれの会社に合った形で使用されるとAI活用がより一層上手くいくと思います。

Microsoftに限らず、GoogleやIBM、Amazonのサービスでも同じようなサービスが展開されていますので、是非一度チェックしてみてください。

実際に、IBMのWatsonにある「Speech to Text」というAPIサービスをコールセンターで活用している動画がYouTubeにアップされていますのでご参考までにURLをアップしておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=gEejZEhHLpA

今回のコラムは以上となります。

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