カスタマージャーニーを考える上で大事なことは「どのタッチポイントにおいてもストレスがない」ことです。小さなストレスが蓄積すると「顧客は離反」します。
ここでは、特にコールセンターの皆様に身近なジャーニーの例で考えてみましょう。
例えば「問題を解決したい」というジャーニーの場合
- よくある質問を検索したが沢山ヒットして、どれを見ればよいかわからない
- よくある質問の回答がわかりにくい
- 問い合わせの入り口がわかりにくい
- 見ているページから移動しないと問い合わせ先が表示されない
- チャットボットで解決できず、電話で問い合わせなければならない
等です。
下記は「カスタマーケアに連絡する際のチャネルを決定する最大の理由」のアンケート結果です。2020年の結果を見ると、「利便性/使いやすさ」だけでなく「すぐに答えを知りたい」という理由が増えていることが分かります。

これはつまり、顧客が「最も簡単に(労力をかけずに楽に)、かつすぐに答えがもらえることを求めている」ことを示しています。
顧客の離反を防ぐためには
では、企業が簡単かつすぐに答えを提供していくためにはどうしたらいいでしょうか?
それは顧客視点での「ジャーニー」を可視化することです。 ジャーニーを可視化する際には、ペルソナ(=架空の顧客)を設定し、このペルソナを主語に、下記のように、行動を時系列に、その時に使ったチャネル、顧客の気持ちや期待値などを書き出していきます。またすでに実際のお客様から頂いている声も追記します。

企業が顧客にして欲しい行動と、顧客が実際にする行動にギャップがあると、それは顧客にとって「ストレス」になり、そのストレスがカスタマージャーニーの中で繰り返されれば、「二度と問い合わせしたくない」と離反に繋がる可能性もあります。
よって、ジャーニーを可視化する際には、必ずペルソナを主語に、つまり顧客の視点で行うことが重要です。顧客の顔が見えないまま、サービス設計をしたり、応対設計をすることに繋がりかねません。
また、現在皆さんのセンターで提供しているジャーニーが顧客視点で見てよいのかをどのように判断すればよいのか、と思った方もいらっしゃるかもしれません。客観的に把握するには、カスタマーエフォートスコアを利用するとよいでしょう。「問題を解決することは大変でしたか(簡単でしたか)」とアンケートを取ることで確認ができます。
最後に、ジャーニーの可視化やアンケートの実施がゴールではありません。発見できた「ストレスポイント」を改善することが何よりも重要です。弊社ではジャーニーの分析・改善に関する「サービスジャーニーシンキング」研修を開催しております。以下のリンクより是非詳細をご確認ください。