SPC(サービス・プロフィット・チェーン)から見る従業員への投資の重要性 ~海外センター通信 vol.5~

2023.07.04

海外センター通信は、海外カスタマーサービス関連最新情報やトレンドをお届けする連載コラムです。

グローバルのコンタクトセンターでは、2023年度の重要な戦略目標として「従業員エンゲージメントと満足度の向上」があげられており、「Happy Employees make Happy Customers」や「Happy Employees =Happy Customers」というキーワードも多く見られます。

この、幸福な(満足度が高い)従業員が、顧客を幸福に(満足度を高く)する。という考え方をSPC(Service Profit Chain )モデルといいます。

今回のコラムでは、この1944年に米国ハーバードビジネススクールのジェームス・ヘスケット教授(James L.Heskett)らにより提唱されたビジネスモデルであるサービス・プロフィット・チェーンモデルについて今のトレンドをふまえて紹介いたします。

従業員への投資が顧客ロイヤルティをどのように向上させるか

サービス・プロフィット・チェーンでは、社内サービス(職場環境や仕事のデザイン、従業員の育成、報酬など)の品質(①)により従業員の満足度(②)は向上します。現在の従業員体験と言われる部分になります。

社内で良いサービスや従業員体験をした社員は、満足度が向上し、その企業に定着し、仕事の経験を積むことにより、生産性も向上します。(③、④)

豊富な経験を持つ従業員が提供するサービスは品質が高いため(⑤)、顧客の満足度は高くなります(⑥)。

価値あるサービスを継続的に受けている顧客は、その企業に価値を感じ顧客ロイヤルティは向上し(⑦)、顧客は積極的にその企業の商品やサービスを購入するようになり、企業の収益は向上(⑧)し企業が成長(⑨)することになります。
企業は得た収益を、従業員が働く環境を良くするために再投資を行うことで、従業員の満足度は継続して維持されることになります。

サービスプロフィットチェーン 解説 図

サービス・プロフィット・チェーンはこのように、従業員への投資により従業員満足を高め、満足度が高い従業員の対応により、顧客満足度は向上し、最終的には企業の利益を向上させるという循環が継続することにより、「従業員」も「顧客」も「企業」も継続して利益が得られるモデルです。

サービス・プロフィット・チェーンは、現在でも研究が続けられており、拡張型のサービス・プロフィット・チェーンモデル(ESPC)などが提唱されています。

新しいサービス・プロフィット・チェーンモデルでは、従業員満足にWell-beingが追加されたり、提供サービスを「人」と「AI」による提供が追加されるなど、現在の環境に合わせたモデルが検討されています。

2023年度のグローバルのコンタクトセンターでは、デジタルの投資も継続されていますが、より重要な投資先として、従業員への投資が考えられているのは、従業員の定着のための投資という側面もありますが、最終的には企業の利益として反映されることも目的として考えられています。

参考リンク:

国内で最も幸福度の高いセンターを決める国内唯一のアワード>

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