KCS…最適な手法・DXで「新人の定着率を向上し」「デビュー期間を短縮する」ためには?

2024.05.02

CSからCX、テレワークの拡大、IoTの活用からDXの実現へ・・・コンタクトセンターを取り巻く環境は、時代の変化と共に大きく変わっていきますが、今も昔も変わらない永遠のテーマは、「人」です。

人がいなければ、センター運営はできません。近年、セルフチャネル(FAQやボットなど)の拡充による呼量削減施策が各社で行われていますが、それでも人による対応(有人チャネル)はなくなっていません。
※強制的に有人チャネルを無くす…という手段をとっている企業もありますが、CXや顧客維持の観点から正しいかの検証は、まだこれからと言えるでしょう。

大命題「コスト削減」

当たり前の話ですが、企業の利益は「売上-コスト」が基本的な考え方です。利益を増やすためには、売上を伸ばし、コストを減らすしかありません。

いかにセンターが売上貢献を行ったとしても、また上に記載したように、有人チャネルがなくならない状況においても、「コスト削減をせよ」という命題はいつも聞かれることです。しかしながら、無理にコスト削減を推し進めた場合は、社員のモチベーション低下と離職の増加、品質が低下…となり、結果として収益を下げ本末転倒です。実際、同様のご相談をいただくことも多く、このコラムをご覧いただいている方の中にも、同じお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

直接的にコストを削減することは容易ではありませんが、このコラムのタイトルにある「新人の定着率向上」と「デビュー期間の短縮」が実現できれば、そのコスト削減効果はとても大きなものになります。

よくある打ち手と課題

「新人の定着率向上」と「デビュー期間の短縮」を実現するために、思い浮かべるのは「研修の高度化」や「新人へのケア強化」ではないでしょうか。

研修内容や手法の見直しをデジタル導入含めて実施する。デビュー後も定着できるように小まめなケアを行う。これらを行うことにより、研修期間終了後と実務とのギャップを埋めることや孤立させない体制は重要です。しかし有人チャネルへの問合せ内容は、年々複雑になり、難易度が増してきています。

そのため、「難しくてついていけない」「覚えることが多すぎる」という根本原因は改善できません。また優れた研修やケア体制があったとしても、残念ながら「ベテラン」との差を埋めることはできないため、「品質の確保」も難しいでしょう。

実際に効果が出ている「ナレッジマネジメント」

いかに“早く”デビューし、“優秀な人材”を多く確保するか。これらを実現し成功した、正に「優良事例」の手法があります。それが「KCS(Knowledge-Centered Service)」です。KCSは、ナレッジマネジメントの国際基準であり、アメリカで誕生して以降、多くの企業で活用され効果を発揮しています。

KCSには細かいテクニックが色々と含まれていますが、最大の特徴と言えるのが「多対多」という考え方です。従来のよくあるナレッジマネジメントは、少ない人数(ナレッジチーム)が、多くのオペレーターが利用するナレッジを作成してきました。しかしKCSは全員参加型であり、人員を増やすことなく実践的なナレッジを構築・発展することが可能になります。鮮度が高く網羅性があるナレッジは、新人にとってわかりやすく、お客さま対応にもすぐに活用ができるため、先ほど述べた「難しくてついていけない」などの課題を改善することができるのです。

ナレッジマネジメントを学ぶ

KCSは、海外だけでなく日本国内のセンターにも導入され、運用が始まっています。ナレッジの課題=ツールやシステムの問題、と考えがちです。しかしそれらを導入するだけでは効果が出ませんし、導入しなくてもできることはあります。DXに取り組む前に、あるいは並行しながらでも遅くはありません。実際に効果が出ているナレッジマネジメントを、まずは理解することから初めてみませんか。

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